■分譲マンションの駐車場【その2】

《駐車場種別の違い》

◆平面駐車場
郊外の広大な敷地を有する分譲マンションによく見られる平面駐車場です。

アスファルトに白いラインで区画され、ほとんどメンテナンス費用は掛かりません。

平面駐車場でも、地べただけの青空駐車場もあれば、鉄骨造の複数階の自走式駐車場もあります。

分譲マンションでは平面駐車場が理想ですが、限られた敷地で車の収容台数を考えると難しいのが現状です。

◆機械式昇降駐車場
分譲マンションで一番多く取り入れられているのが機械式昇降駐車場です。

2層や3層で鉄骨造で区画され、その中をパレットが上下左右に動いて車の出し入れします。

1年に6回など定期点検を実施しますが、この機械式駐車場ですが、実はエレベーターや消防設備と違い点検業務は法律で定められていません。

ただ近年、機械式駐車場内に誤って人が入り込み、そのまま操作をして人身事故に発生するなど多数起きているため、国も動き出してはいます。

また、都心部の分譲マンションでは、車離れで空き駐車場が多数発生し、月額駐車場賃料だけで点検費用が賄えれない状態の管理組合が増加しているため、空き駐車場問題として早急に解決しなければなりません。

問題解決策として、3つの対処方法が挙げられています。

〔1〕機械式駐車場を撤去して平面駐車場にする。
〔2〕機械式駐車場を停止して平面パレットだけを使用する。(ただし、基本的に1度停止すると復旧する事はできません。)
〔3〕マンション居住者限定の賃貸を、外部の第三者に貸出す。(ただし、賃料には収益事業として所得税等が課税されます。)

小手先の対応で駐車場賃料を値下げする管理組合もありますが、もともと車所有者が減少しているうえ、古い機械式駐車場の車規格が現在の車に合わない事情などもあるため、値下げはほとんど問題解決にはつながりません。

◆タワーパーキング
マンション建物横の細長い直方体の駐車場施設や、タワーマンションなら建物躯体中央部にエレベーター式駐車場を設置しています。

1階などに車庫出入口があり、操作盤で呼び出して車を出し入れします。

大型のタワーパーキングなら出庫に5分程度掛かる事もあります。

点検時も、機械式昇降駐車場なら点検してない施設の車は出し入れできますが、タワーパーキングは点検中は出し入れはできず、さらに点検費用は高額になります。

故障や不具合でも修理するまで1台も車を出し入れする事はできません。

過去にタワーパーキングの巻上機の欠陥で4ヶ月近く駐車場が使用できない築後10年超の分譲マンションがありました。

最悪な事に、その分譲マンションは分譲駐車場だった事で、補修工事を実施するまでに駐車場を所有する区分所有者と、所有しない区分所有者で、管理組合の工事費負担などでモメにモメましたね。

しかも、そのタワーパーキングを施工したのは飛行機なども造る大手製造メーカー系の会社で、明らかに施工不良なのに責任を一切認めませんでした。

費用は補修工事が200万円程、それに4ヶ月間、駐車場が使えないため外部駐車場を借りた費用が200万円程度でした。

結局、総額400万円程度の駐車場補修費用は管理組合が負担しました。

この分譲マンション、事業主はすでに倒産して存在せず、施工した中堅建設会社の見解もタワーパーキングは別棟で大手製造メーカーが建設しており瑕疵担保責任および製造物責任(PL法)はないとの見解。

ただこれ、もし大手事業主が販売し、大手建設会社が施工していた分譲マンションなら、例え築10年経っていても無償で対応してくれていたでしょうね。

理由はそのままの通りで、どんな企業や組織でも、そこで働いている人間が判断しており、『長いものには巻かれろ』『寄らば大樹の陰』という事です。

タワーパーキングは手間と費用が掛かる駐車場というのが定説です。

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