■堺の富久邸〔設計:ウィリアムメレルヴォーリズ〕
堺の諏訪ノ森から浜寺公園辺りは、その昔、関西屈指のリゾート地だったそうです。
関西の海水浴場と言えば神戸の須磨海岸ですが、工業用地として埋立られる前までは、ここ浜寺公園が海水浴場でした。
海岸沿いに松の木が植えられ、海と浜辺を目の前に風光明媚な環境として高級住宅地としての顔も持っていました。
現在でもこの辺り一帯は風致地区として環境保全の観点から乱開発から守られています。
その諏訪ノ森の北側に行った石津川付近に、ウィリアムメレルヴォーリズさんが設計した住宅が現存しています。
その古民家の名称は富久邸。
ウィリアムメレルヴォーリズさんと言えば、やはり、アールデコ洋式の外観および内装が美しかった大丸心斎橋店です。
ヴォーリズファンしては、これは見に行かなければなりません。
でっ、見に行ったのですが、正直な感想は『へっ? これヴォーリズさんが設計したの?』
たしかに昔に建てられた古民家ではありますが、ヴォーリズ色が感じられませんでした。
外国人から見た日本の民家を意識して設計したのかもしれませんが、私が期待したのはヴォーリズ設計は、アールデコ洋式が散りばめられたデザインです。
ただし、話しはここでは終わりません。
この富久邸、所有者が住んでいる訳ではなく貸家になっていました。
しかも、その借主が間接的な知人が借りています。
現在、この富久邸は“BORDEAUX/ボルドー”というインポートブランドなどを扱うセレクトショップ兼住居になっているみたいです。
もともと“BORDEAUX/ボルドー”は心斎橋の日航ホテルの1階でオープンし、その後、真向かいのテナントビルに移転、そして、ここ富久邸に移ってきました。
心斎橋にいる時からオンラインショップに力を入れていたので、来店客よりもインターネットでのお客さんの方が多いと語ってたから、確かに家賃の高い心斎橋で営業する意味はありませんね。
特にこれからの時代は、出店場所も他とは違う個性ある立地が求められ、この堺の旧リゾート地の富久邸を選ぶ事自体にセンスを感じます。
世界から見れば、何の個性もない心斎橋よりも、このような良好な自然や環境が整っている地域にお店を構えている方が興味がわきます。
やはり最先端の感性を兼ね備えたファッション関係者は、歩んでいる道は一歩も二歩も進んでいます。
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