
■木造集合住宅:東京の開発残土、地方に投棄
観光立国を目指す日本で、とんでもない実態が明らかになりました。
原風景が残る地方の自然に対し、東京など数百億円規模の都市開発ビジネスによる破壊行為が行われている。
都市開発で地表からえぐり出された土砂を、神が住むと言われる日本の山々に投棄していると言う。
当然に開発業者もこの実態は把握しているはずです。
東京など首都圏の開発ラッシュを進めビジネスとして収益を拡大できれば、地方に残された自然や環境の美しさや素晴らしさはどうなろうと関係はないという事でしょうか。
しかもこれら行為は森林法など法規制が無いため違法ではないと言う。
法令遵守の範囲内で金儲けのためなら何をやってもよい。
大人の事情や法の盲点か。
これがこの世の事実であり実態でもある。
山の神々が住むと言い伝えられる神秘乃国・日本を期待して世界中から訪れる外国人観光客がとてもがっかりする出来事でしょう。
日本の聖地とも言うべき伊勢神宮や熊野古道にほど近い三重県の山々。
都市開発の関係者は神をも恐れぬと言うのか。
祟りだろうか、呪われようが、罰(バチ)が当たろうが関係ない。
己の子孫が破滅しようとも、今さえよければよい、自分達さえよければそれでいい。
そういう生き方もあるのかもしれない。
▼東京の残土、三重の山へ、建設ラッシュ過疎地に流入
三重県南部の紀北町の山林に東京五輪を控えて開発が続く東京都心のビル建設現場などで生じた大量の建設残土が投棄され、景観悪化や崩落の危険が生じている。
建設残土は産業廃棄物と異なり明確な規制ができなき中、過疎地の安い山林が残土ビジネスの標的となっている。
事態の深刻化を受け三重県が投棄規制する条例制定に動きだした。
世界遺産熊野古道が通る霊場紀伊山地の裾野にむき出しの土砂が20m近い高さまで急角度で積まれている。
土砂は東京港などから紀北町の長島港や尾鷲市の尾鷲港に船で運ばれ、近隣の山林が残土の投棄場所となっている。
東京郊外に捨てに行くより運搬コストが安く済むのが理由。
過疎や高齢化で林業が衰退し、山林価格は下がり続ける一方、山林の地権者にとっては収入が見込めるため残土投棄場となっている。
残土運搬船は2012年頃から三重県などの港に入港し、運搬埋立する紀北町の土砂は下記の都市開発によるもの。
①赤坂プレスセンターの保安施設工事
②横浜環状南線のトンネル工事
③大手町の超高層ビルの開発
④豊洲の超高層ビルの開発
⑤東京都の高級マンション・戸建て住宅などの開発
⑥神奈川県の高級マンション・戸建て住宅などの開発
紀北町や尾鷲市では残土の山が巨大化した2018年頃から、町民から不安の声が相次ぎ、大雨で残土が崩落し水路を塞ぐ被害も多数発生している。
残土ビジネスの背景には、有害物質を含まない土砂の積上げを規制する法令が無い事にある。
1ha超の山林開発には森林法で一定制限が可能だが、残土への対処が目的ではない。
開発許可を取得すれば土砂投棄をいくらでもでき違法にはならない。
廃棄物問題ネットワーク三重の弁護士は、残土投棄する際の届出を出し、積上げる角度や高さを制限する条例が各都府県にはあるが、三重は残土処理制限が無いため無法地帯となっていると言う。
三重県では、残土の搬入や積上げを規制する条例検討を表明するが、条例の厳しさは各自治体により差があり、条例がある大阪府でも2014年に残土崩落事故が発生している。
三重県の自治体では、本来は国の責任で全国一律に規制する必要があり、町を都市の残土捨て場にされる事は耐えられないとしている。
【中日新聞:2019年2月11日】
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