
■家族より優先される仕事など、この世に存在しない【その31】
孤独と恐怖。
短い日々、少しの時間ですが、久しぶりに母親と一緒に生活をして、認知症を発症した人がいかに一人で生活するには無理がある事が分かりました。
生きていくための基本でもある食べる事ですが、晩御飯は宅配弁当が届くので何とかそれを食べているようです。
朝はパンなどを食べ、昼も冷蔵庫の中にあるものを食べていると言っていますが、その行動ひとつとっても電子レンジの操作も出来たり出来なかったりし、食卓の上にご飯を用意しても冷蔵庫を開けて何を食べようか悩んでいる始末。
私と一緒に生活をしていればその都度に手助けする事ができますが、これが一人だったら分からないまま時間だけが過ぎていきます。
夜、息子にお風呂を入れようと準備をしてくれたまでは良かったのですが、浴槽いっぱいに冷たい水を溜めていました。
お湯を入れる事が出来ず、どのボタンを押したらお湯になるのか分からなかったようです。
たぶん一人の時は出来たり出来なかったりしているのでしょうが、この調子で一人で生活しているのかと思うと気の毒でなりません。
いくら認知症を発症しているとはいえ上手くできなかった事は分かるようで、母親はその時々に大変傷ついていると思います。
そんな日常生活を上手くできない孤独の中でも前に向かって生きているようです。
また、夢か幻想を見るのか泥棒から電話が掛かっていると言いだしました。
今からお金を取りに行くという内容みたいですが、現実には泥棒からそんな電話は掛からないと思います。
これも認知症の不安の中で一人暮らしをしている恐怖から、怖い泥棒が登場しているのかと感じました。
母親はお金管理もできず1万円札をどこかに隠してしまう習性があるみたいで、すぐに無くしてしまいます。
だからといって財布に小額だけのお金を入れておくと、お金がないから生活できないと言いだします。
本来、生活する上でお金を使う事などないんですが。
以前は近所のコンビニに行ってお昼ご飯などを買っていたみたいですが、今はそれすらもできなくなりました。
コンビニに行けたとしても商品をお金を支払って購入するという認識はすでに無いかもしれません。
わたしは鉄筋コンクリート造のマンション住まいのため実家の戸建てに行くと家の中に居ても外にいるように寒く感じます。
だからエアコンの暖房をすぐにつけるのですが、そのたびに母親はこれ暖かいねと言います。
逆に言えば、母親は一人でいるときは暖房をつけずに生活しているのかと思いました。
リモコンの操作を何度と教えても理解できないようです。
ゴミの分別も当然にできません。
認識力が低下した高齢者の一人暮らしは、高機能や高効率、省エネルギー、環境問題などから遠く離れていきます。
すべての人がそのようになる訳ではありませんが、誰しも高齢者になればそうなりうる可能性はあります。
世の中のルールや常識が役に立たたず、高齢者のルール違反があったとしてもそれをカバーできる制度が必要でしょう。
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