
■外壁タイル剥落
ここ竣工後20年のマンションは上層階の外壁までタイル貼りになっています。
タイルは塗装と違い高級感がありデザイン性にも優れています。
塗装だと経年劣化で色あせてきますが、タイルは変色がほとんどみられないため修繕する必要がないと思われがち。
建物の外壁全体をタイルが覆っていれば大規模修繕工事の時に高額な足場を設置しなくて済み、結果的に工事費が浮いて修繕積立金を値上げしたりする必要がないと。
そこが早合点。
まず、大規模修繕工事のときに足場を組まなくていいのは間違いです。
全面タイル貼りで貼替えする必要がなくとも、ベランダや共用廊下等の天井などは塗装が多く、窓サッシ回りのシールも打ち替えるため足場は必要です。
次に、タイルは経年とともに浮いてくる事があり、これがひどくなると剥落します。
タイルは一つ一つに見えますが、ある一定規模のシート状になっています。
だからタイルが浮けば1区画が剥落します。
この時、最悪なのは人に当たる人身事故、そして車や家などに当たる物損事故です。
この責任は誰がとるのか。
当然、建物所有者であり、分譲マンションなら管理組合です。
加害者の管理組合は被害者に対し損害賠償や慰謝料を支払わなければなりません。
しかもタイルが浮いて剥落する可能性がある事を認知していればさらに事態は悪化します。
では、タイルが浮いていた場合、どうすればいいのか。
答えは簡単です。
補修工事をすればいいのです。
ただ、分譲マンションなど大規模建造物をすぐに直せと言われても、費用と手間がかかります。
なんだかんだ進めても最速で1ヶ月近くはかかるでしょう。
でも、その間にタイルが落下して大事故につながる恐れがある。
そんな時は予防策として建物全体を網掛けするか、防護柵としてあさがおを設置します。
また、危険エリアにカラーコーンを設置して落下物の注意書きをして入れないようにするのもひとつです。
この間に理事会や管理組合で話し合い、どのように修繕するかを決めてもらいます。
マンション管理をする者として一言いわせてもらうと、外壁タイルは1階など低層だけにして、上層階は塗装にしてもらいたいものです。
タイルは落下するが、雨漏りも原因が分りにくいデメリットもあります。
塗装ならひび割れ(クラック)がいっているので目視で分りますが、タイルは目地から水が入り込みまったく分りません。
外壁タイルは百害あって一利なしです。
※画像はイメージであり本文とは関係ありません。
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