
■木造集合住宅:古民家を磨く、カールベンクス氏【その3】
日本は高度成長時代。
建築デザインの仕事を始め、ビジネスが大きくなっていく。
1966年、京都に向かい駅前の京都タワーがそびえ、遠くに三十三間堂が見えた。(1間=約1.8m 33間=約60m)
美しい瓦屋根が続く町並みが記憶に残っている。
東京では霞が関ビルや東京タワーがそびえ、その足元には木の家がたくさんありました。
東京オリンピックが終わった直後で、欧米のデザインは人気があった。
カールベンクス氏は伊豆の下田で喫茶店の内装をデザインしたり、浅草や六本木で飲食店の仕事をしていた。
1970年の大阪万博ではドイツ館の内装を手伝った。
一度、ドイツに戻り、再来日したのはバブル崩壊後。
目にしたのは古い建物を壊して、特徴のない新しいビルをドンドンと建てる東京の姿です。
ある日、新潟の山中で古民家に出会う。
日本人は興味を示さないけど、ヨーロッパ人には日本家屋は好評です。
新潟の古民家は、今にも倒れそうでした。
骨組みがしっかりしていて、雪に耐えてきた建材は良質で頑丈です。
周辺の景色にも魅せられた。
里山があり、小川が流れ、段々畑が広がっている。
ドイツにも東京にもない日本の原風景のような場所です。
雪が降る前に解体されると聞き、カールベンクス氏はその場で購入を決めた。
建物があまりにも素晴らしいので移り住む事を決めた。
それが新潟県十日町市竹所にある住まい。
古民家には2羽の鶴の置物が残っていたので“双鶴庵”という屋号をつけたのが24年前の1993年。
【日本経済新聞 2017年11月1日】
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