
■認知症患者の在宅介護と向き合う
先日、地下鉄に乗っていたところ、ある駅から60代後半くらいの高齢女性が乗ってきました。
その高齢女性はまわりの乗客に手当たり次第、この電車は●●駅に行くのかを聞いていました。
高齢女性の手にはA3用紙に大きな文字で目的地に行く順序が記載されていました。
たぶん、高齢女性の家族が書いたものでしょう。
そのA3用紙には“▲▲駅乗り換え ⇒ ●●駅”と書かれています。
まわりの乗客はけげんな顔をして関わりたくない感じで誰も答えようとしません。
気の毒に思い、高齢女性に声をかけました。
わたし・・・『●●駅は▲▲駅で乗り換えですよ。』
高齢女性・・・『▲▲駅で当っているか? ▲▲駅で当っているか?』
人の話を聞かず何度も同じ事を繰り返し発言する症状、その高齢女性は認知症でしょう。
わたし・・・『はい、▲▲駅で当ってますよ。』
高齢女性・・・『本当か? 間違いないか? どっちのドアか?』
わたし・・・『はいはい、▲▲駅ですよ。』
高齢女性・・・『▲▲駅は次か? ▲▲駅は次か?』
わたし・・・『▲▲駅は2つ先ですよ。』
高齢女性・・・『▲▲駅は次じゃないのか?』
わたし・・・『2つ先ですよ。』
通勤時、この電車に10分程度に乗車していた時間、ずっとこの繰り返しです。
この間に高齢女性は家族の不満も訴えます。
高齢女性・・・『私はタクシーで行きたいのに、お金がもったいないから息子は電車で行けと言う。』
高齢女性・・・『息子は家で私をたたく。』
この内容が事実がどうか分かりませんが、認知症の高齢女性を相手したほんの10分程度でも正直うんざりします。
毎日、一緒にいる家族だったらと考えました。
近年、介護に疲れ悲しい事件に発展するニュースをよく見ます。
もし親が認知症にならなかったら、その子は犯罪者になる事はなかったと思います。
日本は長寿は美徳、元気で生き生きとした高齢化社会を実現するため、手厚い政策により医療発展をまい進してきました。
その結果が元気な身体と衰える識別能力の高齢者増加。
高速道路の逆走などをみても分かります。
本当に在宅介護が可能なのか、どんな間取りにしたらいいのか正直分かりません。
もし家族が認知症になったとき、どうしたらいいのか。
どんな接し方をしたらいいのか。
認知症の症状に対し、本当にイライラしないのか。
金銭的に余裕があれば介護施設に入れる事ができますが、余裕がなければ一緒に生活するしかありません。
認知症の親と生活する家族の憂鬱。
無碍に扱えば悪者扱いを受け、さらにある事ない事を外に言いふらす認知症の親、そうなれば家族の心はすさんでいきます。
気付いたら手を・・・
やはり、この問題は家族内で解決するのは難しいかと思います。
そのために国や自治体があります。
経済的に介護施設に入れる余裕がなければ、少し時間があれば、市役所などに朝連れていき1階のロビーに座らせて、夕方に迎えにいくのも一つの手ではないでしょうか。
認知症の親は1日中、市役所のロビーに居る事になりますが、まわりには役所の人達が大勢いるので何かしらの対応はしてくれます。
その中で、何か良い対策が生まれるかもしれません。
認知症の親を抱え悩んでいる家族は、その家の中だけで抱えるのではなく自治体を巻き込んでみんなで解決できる社会になる事が一番かと思います。
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