紹介するのは特許情報なのですが、科学的に面白いので紹介します
電気材料の分野では、一流の研究者として知られている日野太郎氏の研究成果です。
直リンクができなくなったので、特許検索のサイトを下記に紹介します。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/s0100
↑ここで 特開1998-12937 を検索するとヒットします。
誘電体のごく薄い膜(厚さ5ナノメートル)を異種の金属で挟むと、発電し、負荷をつなぐと永久に電流が流れ続けるというものです。
この素子に類似したものを私も作ったことがあり、負荷をつないだまま計測した1年間は定常的に発電しました。
通常、発電素子というと、裏表の面に温度差があると発電するペルチエ素子とかゼーベック素子などを想像しますが、この素子は、「温度差がないところでも発電」します。
面白いことに、負荷をつないで電流を流し始めると、表面の温度が低下していくのです。
異種金属の仕事関数の差により、誘電体との境界面にある電子を引っ張る力に差が生まれ、引力の強い金属の方に電子が引かれ、電流が流れると考えられます。
特許の審査はどうなったかというと
http://tokkyo.shinketsu.jp/originaltext/pt/1082382.html
特許出願前に公開されている情報をまるごと引用していることが明らかになったので、拒絶されています。
引用された情報とは・・・・なんと、発明者自身が発表した論文でした。
みなさん、特許出願前提に論文発表するときは、先に特許出願しておきましょう。