●出典
山内 恭(国立極地研究所):「南極・北極に見る地球温暖化の現状と将来―南極・北極は本当に温暖化しているのか?」,ヒマラヤ学誌 No.10, 212-220, 2009
地球温暖化の傾向を知る指標として北極・南極の気温がしばしば取り上げられているが、中立の立場で発表されているレポートは少ない。
下の図は、北極の気温変化である。1970年から温暖化の著しい傾向が現れているが、その原因が産業活動にあると安易に決めつけることはできない特徴がグラフに現れている。 1940年に気温のピークがあるが、当時の産業活動が現在より盛んであったわけがないからだ。 気温上昇の全体的なトレンドから見ると、1920年~1940年、1970年~2000年の急激な気温上昇の原因は別のところにあると思われる。
次の図は南極各地の基地で記録された気温である。
気温上昇傾向が見られるのは、南極半島近辺のみである。東側は温暖化傾向が見られず、内陸はむしろ寒冷化している。
次の図は、南極半島にあるファラデー基地の気温変化である。先に述べたように、南極半島は気温上昇が著しいが、この傾向が現れている陸地面積は小さい。
次は、南極の東側にある昭和基地の気温変化である。50年を通じて気温の有意な変化が無い。
地球温暖化の判断には、他にも様々な評価が試されたが、ローカルな傾向はわかっても、地域全体で統一性が無いため、不確定のままに終わっており、有意な観測手法の開発が待たれるとして締めくくられている。



