振動する電荷や、電気ダイポールアンテナが生み出す電磁界が、空間をどのように伝わっていくのか今さらですが解析してみました。
この課題に取り組んだ動機は、アンテナから出た電界・磁界が、場所によって位相が違うという事実を詳しく調べたかったからです。
アンテナのごく近傍では、電界は磁界より90°遅れて変動してますが、遠方では、同位相になってます。つまり、アンテナから距離が離れるにつれて、電界波と磁界波が互いに追いつくか追いつかれるという過程があるだろうと推測されます。
実際に位相差が距離とともにどのように変化しているのか文献を探しても、ずばりな答えが載っているものがないので、電磁界の式に基づいて解析してみました。
ノートです
わかったことは、アンテナ近傍では、位相が超光速で伝搬する世界でした。
波面が光速を超えて伝わる現象があることは他の例で知られているそうです。
たとえば、エバネッセント光の伝搬がそうですね。
電界の波は磁界よりも遅れて出発しますが、約1波長の距離を伝搬する過程で、磁界にほぼ追いつくことがわかりました。
知り尽くされていたと思っていた電磁気の世界ですが、まだ拾える果実がありそうですね。