それにしても何だね、最近の若いモンは。
ネットといい職場といい、常識も礼儀も弁えてない奴ばっかりで。

ユーノ「え、こっちの天の声も愚痴から始まるの!?」

ちょっと甘い顔したら調子に乗って付け上がる、ミスを指摘したら責任転嫁して逆ギレする。
やる事なす事半人前以下のくせに、口答えだけは2人前3人前以上…

「F」

ユーノ「うん、リアルでストレス溜まってるのは分かったから、落ち着いて?」

何か、成人や選挙権の年齢を18歳からに引き下げるとか言ってるけど、本当に大丈夫か!?
20代の連中ですら不安だってのに!

ユーノ「国政批判もそれぐらいにして、本編に入ってよ!」

分かった。
最後に、これだけは言わせてくれ。

moon

ユーノ「その画像、前にも使ったでしょ!?」

そんなわけでどんなわけで、始まるよ~。



ユLOVEるなのは番外編
  『氷のように微笑んで』



「ユーノ司書長」

業務の最中、ユーノに声をかけたのは、古参の司書であるガーニィ・レイザ。
だが、ユーノはそんな彼に対し、何の反応も示さず、黙々と検索作業を続けている。

「…司書長?」

語尾を上げ、少し苛立ちを滲ませつつ、再度呼びかけるガーニィ。
ユーノに心酔する彼が、このような態度を見せる事は稀である。
そんな異常事態にも関わらず、ユーノは敢えて無視を決め込む。

「…司書長…」

元々鋭い、神経質そうな目を更に吊り上げ、米神をヒクつかせつつ、三度声をかけるガーニィ。
しかし、ユーノは徹底して、聞こえていないふりを続ける。

…何故なら、彼が何を言おうとしているか、その大体の見当がついているから。
そして、それが紛れもない正論であり、反論する事が難しいという事も分かっているから。
『仕事に夢中で聞こえていない』というポーズを押し通し、相手が根負けして引き下がるのを待つのが、ユーノのせめてもの抵抗であった…

「………」

眉間に皺を寄せつつ、肩を落とし、無言で去っていくガーニィ。

「ふぅ…」

そんなガーニィに心の中で詫びながら、自分の狙いが功を奏したと、一息つくユーノ。
その次の瞬間。

『 司 書 長 ―――――っ!!!!!』

キイィィィィィィィンッ!!!!!

「~~~~~っ!?!?!?」

耳元に凄まじいノイズを伴うガーニィの大声が飛び込み、ユーノは思わず耳を押さえて悶絶する。
頭がクラクラするのを堪えつつ、ユーノが振り向くと、そこにはスピーカーを手にしたガーニィの姿が。

「…が、ガーニィさん…書庫内でスピーカーで大声あげるのはどうかと…他の司書のみんなにも迷惑に…」

と、ユーノが周囲を見回すが、どの司書も耳栓や防音結界で対処し、平然と業務を続けている。
つまり、ガーニィがこういう行動に出る事は、他の司書全員と打ち合わせ済みだったのだろう。

「…司書長、休暇をお取りください」

周りに味方が誰一人居ない事を思い知ったユーノが、ガックリと項垂れたところへ、追い討ちのように本題に入るガーニィ。

「………ガーニィさん、今がどういう状況か分かってる?例によって例の如く、資料請求が引っ切り無しに…」
「そんな状況だからこそ、司書長には万全の体調で居て頂かないと…万一、過労で倒れられでもしたら一大事です」
「大袈裟な…そりゃ、ちょっと連続で勤務が続いてはいるけど…」
「丸々半年間、休暇返上のぶっ通しを『ちょっと』とは言いません!」
「………ほら、司令塔の司書長が居ないと、いざって時の対応に…」
「そのいざという時に、肝心の司書長が体調崩して行動不能じゃどうしようもないでしょうがっ!?」

実際、ここ最近は無理が祟ったか、軽い眩暈などの体調不良を感じる事のあったユーノは、どうしても強く出る事が出来ず。
対するガーニィは、正論で一歩も退かない姿勢。
2人の間に、何とも表現し難い、びみょ~(微妙に非ず)な空気が流れる。

ドッゴーン!!!

「ユーノ君、私を孕ませてー!!!」

そんな空気も読まず、桃色の砲撃魔法が自動扉を吹き飛ばし、頭の中までピンク色な発言と共に書庫に表れたのは、高町なのは教導漢…もとい、教導官。
…教導漢でも別に間違ってはいないが…

「なのは…何度も言ってるけど、扉は開ける物で、吹き飛ばす物じゃないよ…それに、今は大事な話の最中で…」
「いや、丁度いいところに来た!高町教導官、このワーカーホリックの常習犯を直ちに連行してくれ。拘留先はお前の自宅でも、何なら近場のラブホでも構わん!!」
「ちょ、ガーニィさん!?」

以前のガーニィなら、ユーノと一緒になってなのはに苦言(という名の暴言)を呈していたであろう。
だが、今や自他共に認める『ユーノの嫁』となったなのはに対しては、現にバリアジャケット姿で特攻し、他の司書や蔵書を巻き添えにしようと、全ては『Not Guilty』なのである。

「了解ですガーニィ司書!ついでに、ユーノ君と子作りして、既成事実で結婚しちゃってもいいですか?」
「愚問だな!その時にはこの無限書庫司書ガーニィ・レイザ、お前の事を『奥様』と呼び平伏し従う事を約束しよう!!」

やたらハイテンションな2人のやり取りを前に、ユーノは自分の退路が完全に断たれた事を実感させられる。

ガシッ

「では、高町なのは教導官、これより無限書庫総合司書長ユーノ・スクライア容疑者を自宅に連行します!」
「健闘を祈る!」

ユーノの肩を掴んで引っ張っていくなのはに対し、ガーニィは握り拳を突き出してエールを送る。
勿論、人差し指と中指の間から親指を突き出す、所謂フィグ・サインであるのは言うまでもない。



諦め切った表情で、ドナドナの歌詞を呟きつつ、なのはに引っ張られて書庫を後にするユーノを見送ると、ガーニィは後片付けを済ませた司書達に振り返った。

「よし、今日一日は司書長抜きだ!司書一同、気合を入れてかかれよ!!」
「「「「「G・I・G!!!」」」」」

ガーニィの号令に、CREW GUYSのような符丁で返す司書一同。
ハッキリ言ってノリノリである。



かくして業務を再開した無限書庫。
そこに、第一のイレギュラーが襲来した。

ドカーン!

突如として蹴り破られる自動扉。
再び本や司書達が舞い散る無重力の書庫内に、縦横無尽に伸びていくのは、青い光の道。

「せ―――――ん―――――せ―――――!!!!!」

元気いっぱいを通り越して馬鹿丸出しの勢いで、その光の道…ウイングロードをローラーブレード型のデバイス、マッハキャリバーで駆け抜けていくのは、スバル・ナカジマ。
企画段階では3期で主役を張る予定だったのが、大人の事情で足手纏いの新人その一にまで降格されたという、ある意味悲劇の戦闘機人の少女である。

元々はなのはに心酔していた彼女だが、ケミカルXをぶちまけられたこの時空では、所謂クリスタルセイント理論でなのはの師であるユーノの事も『先生』と慕っている。

「ちっ…」

なのはの時と違い、明らかに不快そうな顔で舌打ちすると、ガーニィは深紅の魔方陣を展開する。
そして左腕の硬度を上げていくと、伸び続けるウイングロードの上に立つ。

「げっ、蟹の人!?」

進行方向にガーニィの姿を認識したスバルの顔に焦りの色が浮かぶが、マッハキャリバーによる加速は止まらない。
対するガーニィは、硬度10のダイヤモンドパワーまで達した左腕を振り上げる。

「喧嘩<クォーラル>ボンバー!」

ガゴォ!!!

「ぐはあっ…!?」

一般的にはアックスボンバーとも言われるラリアットを喉元にマトモにくらい、宙に舞うスバル。
ちなみにサムライのコスプレをして放つ時は居合い斬りボンバーである。

「…ふん…」

ウイングロードが消失すると、意識を失ったまま何処までも飛んでいくスバルに、ガーニィは呆れた様子で鼻を鳴らすと、彼女を回収しに向かうのだった。



「………むっ?」

受付を出た本局内の出入り口前に、スバルを詰めた黒いポリ袋を運んできたガーニィは、新たなイレギュラーの存在を感知する。

「ふむ…」

ふと、ガーニィは腹に手を当て、腹具合を確かめる。
そして、この分なら身まで出る心配はないだろうと判断すると、一見すると何もない方向に背を向け、ズボンを下着ごと下ろすと、尻を突き出した。

「くらえ、秘技・ホワイトホール!」

ブウゥゥゥゥゥゥゥッ!!!

凄まじい音と共に、周囲に硫黄のような、卵の腐ったような激しい異臭が立ち込める。

バターン!

「げほっ、えほっ…うぅ、おぇ…っ!?」

周囲の風景に溶け込んでいた幻術が解け、ティアナ・ランスターがその姿を現す。
あまりの臭さに床に倒れ伏したまま、ピクピクと悶絶し、やがて動かなくなる。

「…ふぅ…」

盛大な放屁を終えてスッキリした様子で、下着とズボンを穿き直すガーニィ。

登場時は頭脳派でなのはに対しても反感を持っている稀有なキャラだったのに、頭を冷やされごめんなさいしてからは、すっかり見る影も無く。
今や師匠譲りの脳筋とご都合主義的思想に染まってしまったティアナの幻術など、ガーニィにはバレバレである。

…そんな彼女の現状に何とも言えない気分になりながら、ガーニィは新たなポリ袋を取り出すのだった…



「ユーノ!いけない私の(ピー)にお仕置きして!!」

今日も今日とて、そのまま載せたら規制をくらいそうな発言と共に現れるフェイトそん。

「あ゛?」ギロリ

その眼前まで迫り、思いっきりガンを飛ばすガーニィ。

…今の彼を、司書だと説明されて誰が信じるだろうか?
おそらく100人中100人が、極めた道の人だと思うだろう…

「ヒッ…ガーニィ・レイザ…!?」

ガクッ

次の瞬間、フェイトは白目を剥いて意識を失い、泡を吹きながら無重力の書庫内に浮かぶ。

今更説明するまでもなく、フェイトはMである。
だからこそ、ドSのユーノやSオブSのなのはに劣情を催しているのだ。

だが、Sなら誰でもいいというわけでもなく、そこにはやはり相性というものがあって。
無限書庫でユーノと並ぶドSであるガーニィだが、フェイトにとっては単純に恐怖の対象でしかなく。
ぶっちゃけ怖い、そして嫌い。

名前を聞いただけでパニック障害を起こすほど、ガーニィはフェイトにとって恐怖と嫌悪の象徴だった。

「…人の顔を見て呼び捨てにしながら失神するとは、失礼にも程がある奴だ…」

自分が思いっきりビビらせたのは棚を通り越して大気圏突破するまで放り上げつつ、ガーニィはまた新しいポリ袋を取り出した…



「こにゃにゃちわ~♪」

ターン!

「へぶっ!?」

中の人的にはリンディが言いそうな挨拶と共に顔を出すと同時に、猟銃で眉間を撃ち抜かれる狸。

「何すんねん!?」

ターン!

「ぐあっ!?」

抗議しようとした矢先、寸分違わず先程と同じ場所を撃ち抜かれる狸。

「ちょ、待っ」

ターン!

「ぎゃあ!?」

押し止めようとする事さえ許されず、また同じ場所を撃ち抜かれる狸。
猟銃を構えるガーニィの顔は、『G』は『G』でもさいとう・たかおの劇画調になっている。

 あんたがたどこさ 肥後さ
 肥後どこさ 熊本さ
 熊本どこさ 船場さ
 船場山には狸がおってさ
 それを猟師が鉄砲で撃ってさ
 煮てさ 焼いてさ 食ってさ
 それを木の葉でちょいと隠<かぶ>せ

…手毬唄が終わるまでの間、はやては立ち上がっては眉間を撃ち抜かれる事を…強いられているんだ…!



「フェレットもどきは居るか?」
「当書庫に『フェレット・モドキ』などという司書は在籍しておりません」

プシューッ

続いて現れた真っ黒提督への返答と共に、彼の顔面にフマキラーを噴霧するガーニィ。

「ごほっ、げほ、げほ…な、何をする!?」
「おや、これはハラオウン提督。黒光りしているので、巨大な家庭内害虫と間違えてしまいましたよ」
「…相も変わらず失礼だな君は…」
「開口一番、こちらのトップを動物扱いするような礼儀知らずにだけは言われたくないですなあ?」

抗議するクロノに対し、ガーニィは虫けらでも見るような目で、慇懃無礼極まりない対応を返す。
相手が提督様だろうと何だろうとお構いなしである。

「………まあいい。それよりユーノは…スクライア司書長は居るのか?」
「司書長は本日休暇を取られました」
「何、だと…あの仕事中毒が休暇!?本当か…?」
「届出は済ませてあるはずですが?」
「信じられん…」

言うが早いか、クロノはガーニィに背を向け、空間モニターを開く。

…それが、彼の命取りとなった…

「総務部か、クロノ・ハラオウン提督だ。すまないが、無限書庫のユーノ・スクライア総合司書長の…」

パラパー
パーパーパーパーパラパパラパー

何処からともなく鳴り響くトランペットの音色と共に、ガーニィは黒いポリ袋を取り出すと、クロノの背後に迫る。

「………本当だったのか…」

ガバアッ!

「うおっ…!?」

ジャカジャーン!と『必殺』シリーズのテーマ曲が流れる中、総務部への確認を済ませたクロノに、頭からポリ袋を被せるガーニィ。
同時に彼が取り出したのは、焚かれて煙を噴き上げる寸前のバルサン。

「こ、こら、何をするか!?」

ポイッ

ジタバタともがくクロノを詰めたポリ袋を逆さまに引っ繰り返すと、ガーニィは袋の口からバルサンを放り込む。

「なっ…ごほ、ごほ、げほぉ…っ…!?」

煙が漏れないよう、しっかりと口を縛られた袋の中で暴れるクロノだったが、3分も経つと動かなくなり、完全に沈黙した。

…今更ながら、クロノが中で暴れても破れないこのポリ袋、本当にポリエチレンで出来ているのだろうか?

パラパー
パーパーパーパーパラパパラパー
ジャカジャン!

『必殺』のテーマも流れ終え、ガーニィはクロノを詰めた袋を引いて自動扉へと向かった…



「兄チャマー!今日も未整理区画の敵性存在の殲滅が終わったぞ~!!」
「司書長は休暇を取られた。今日一日は戻らん」

書庫内に戻るなり、今度はヴィーノが相変わらずの様子で現れ、内心げんなりしながらも教えてやるガーニィ。

「なーんだ、つまらない…」

ジーッ

「…何だ?」

そのままヴィーノにジロジロと顔を見つめられ、ガーニィは不愉快そうに問いかける。

「………駄目だな。やっぱりオッサンじゃ萌えない」
「余計なお世話だ。お前に萌えられても嬉しくも何ともないわ!」
「はぁ…これが兄チャマなら『濡れるッ!』てなるんだけどなぁ…オッサンじゃなぁ…」
「オッサンを連呼するな、このド変態女。お前みたいなのが遺伝子上とは言え、司書長の妹だと思うと悪夢以外の何物でもない」
「嗚呼、違う!私が求めてるのはこんな罵倒じゃないっ!!」
「…いい加減にしろ、ぶっ殺すぞ?」

ヴィーノはホクトだって構わず食っちまおうとする変態なんだぜなのだが、流石にオッサンの上に美形でもないガーニィは守備範囲外だった。
やれやれとわざとらしく嘆き、クネクネと不気味に身悶えるヴィーノを前に、ガーニィの米神にピキピキと井桁が浮かぶ。

「ユノユノ~!主はやてがこちらに来たまま戻らないと聞いてやってきたぞー!!」

間の悪い事に、そこへやってきたのは劣化のニート…もとい、シグナム。
足元には、今日も乳バトルを期待してストーキング中の段ボールも。

「むっ、性懲りも無くやってきたのか駄乳!」
「何だと、まだ居座っていたのか堕乳!」

顔を合わせるや否や、2人の巨乳が火花を散らす。

…と、そこへ。

ガシッ

「…へ?」
「逝ってこい、ド変態ミサイル!」

ヴィーノの身体を両腕で持ち上げると、そのままシグナムに向けて投げつけるガーニィ。

「おわーっ!?」
「何ぃっ…!?」

ガーニィの言葉通り、人間ロケットの態勢で突っ込まされるヴィーノ。
ガーニィの存在など眼中に無かった為、予想外の事態に呆気にとられるシグナム。

…そのまま2人は頭と頭がゴッツンコと正面衝突し、無重力の書庫内に沈んだ…

「阿呆どもが…」

不機嫌を顔面全体で表現しながら、宙に浮かぶ巨乳達にゴミを見るような目を向けるガーニィ。

…と、その視界に入ったのは、期待した乳比べも見られず所在無げにしている段ボール。
判定員が居ないのだから仕方ない。

「………ふんっ!」

ドグシャア!!!

そんな段ボールに近付くと、ガーニィは八つ当たり気味に強烈な踵落としをお見舞いする。
段ボールは声も上げずに沈黙し、動かなくなる。

そしてガーニィは、新たに黒いポリ袋を3枚用意するのだった…



そんなこんなで、翌日。

「司書長、ゆうべはおたのしみでしたね?」
「ガーニィさん、本気で怒るよ?」

多少やつれた様子ながらも、前日とは打って変わって艶々した顔色で出勤したユーノに、お約束の言葉をかけるガーニィ。
その軽口にムッとしているユーノを見ながら、彼はやはり休暇を取らせたのは正解だったと実感する。

「ところでガーニィさん」
「はい、何でしょう?」
「受付の外に大量のポリ袋が置いてあったけど…何なの、あれ?」
「ああ、あれですか…昨日、大量のゴミが出ましたので」
「ゴミ、かあ…」
「ええ、ゴミです」

2人の間に、暫しの沈黙。

「ゴミじゃ、仕方ないね」
「仕方ないですよ、司書長」

…無限書庫のドSな2人は、いい顔で微笑みを交わすのだった…



・おまけ

「ユーノ司書長ー!私、弟か妹より司書長との子供が欲しい~!!」
「ええい!また来やがったか、この破廉恥娘が!!」

この時空でも険悪なヴィヴィオとガーニィ。
今日も今日とて因縁のバトル開始。

「引っ込めオッサン!」オラオラオラオラ
「くたばれクソガキ!」無駄無駄無駄無駄

「ヴィヴィオもガーニィさんも、書庫で喧嘩しないで…」

「カップリングは自由だーっ!!」アリアリアリアリ
「ユノヴィヴィなんぞ誰が認めるかーっ!!」ボラボラボラボラ

「………2人とも、いい加減にしないと…」

第三部から一気に第五部に移行してラッシュを続ける2人に、声のトーンを落としたユーノが一枚の写真を取り出す。
それは、創起さんのネタでは割とお馴染み、聖王モードのヴィヴィオがガーニィに抱き付いている写真。

ちなみに何故こんな写真があるのかと言うと、

 1.聖王モードのヴィヴィオがユーノに抱き付こうとする

 2.気付かずユーノが用事でその場を離れる

 3.隣に居たガーニィに誤爆

 4.それを見たユーノが面白そうだからと携帯で撮影

…という流れである。

「この写真と一緒に、実は君達が熱愛中だって噂を流すよ…?」

「「申し訳ありません司書長、喧嘩しませんからそれだけは勘弁してください」」

お互い忌み嫌う相手と熱愛中などという噂を流されてはたまらない。
ヴィヴィオもガーニィも無重力の書庫内である事を忘れて、ユーノに土下座して許しを請うのだった。



・おまけパート2

「お、何だこの虫?」
「あ、潰さないで。ルーのインゼクトだよそれ」

毎度お馴染み模擬戦(という名の喧嘩)を一戦交え、一息ついていたホクトとエリオが、一匹の虫に気付く。
それはエリオの言葉通り、ルーテシアの召喚虫・インゼクトだった。

「ルーって、こないだサウスが言ってた子か?」
「うん、ルーテシア・アルピーノ。僕とキャロの友達」

無限書庫ツアーの一件で活躍?した彼女の事を、ホクトもサウスから聞いて知っていた。

「…もしかして、浮気してんじゃねーだろな?お前にはキャロが居るのに…」
「そ、そんなんじゃないよ!?…何だろ、コレ。映像データ?」

インゼクトが運んできた映像データを、空間モニターで再生するエリオ。
そこに映し出されたのは、

『親愛なるエリオへ。今日は、私の秘密全部見せてア・ゲ・ル☆キャロの居ない時に一人で見てね?』

…というルーテシア本人による思わせぶりなナレーションと共に、彼女のセットアップやら入浴やら水着やらといった、所謂サービスシーンの数々を編集した映像。

「「なっ…!?」」

思わず絶句して固まる男の子2人。
両者、多感なお年頃の上に、そっちの方面には極めて奥手且つ不器用だから仕方ない。

「ホクト君見ちゃ駄目―――――っ!!!」

スッパァァァンッ!!!

「ぶっ…!?」

唐突に乱入してきたサウスのハリセンによる強烈な一撃をマトモにくらい、目を回してダウンするホクト。

「…サウス、いつの間に…?」
「おやつの用意が出来たから、キャロと一緒に呼びに来たんだけど…」
「え、キャロも来てるの!?」

サウスの言葉に、真っ青になって辺りをキョロキョロと見回すエリオ。

「…エリオ君…?」

キャロはすぐに見つかった。
禍々しいオーラを漂わせ、大変お怒りのようだ。

「キャロ?違うんだ、これは別に僕が頼んだとかそういうんじゃなくて…!」

冷や汗塗れになりながら、エリオは必死に弁明するが、その言葉はキャロには全く届いていない様子。

「っ…ヤバい!逃げるぞ、サウス!!」
「え、ホクト君っ…!?」

只ならぬ気配を感じ、意識を取り戻したホクトは、慌ててサウスをお姫様抱っこすると、その場を離脱する。

「ちょ、ホクト…っ!」

そして哀れ、一人取り残されたエリオは…



「 う゛ぉ る て ー る ! ! ! 」

「(゚Д゚)ウボァー」



「ヤムチャしやがって…」

サウスを連れて被害を受けないギリギリの場所まで避難したホクトは、いつの間にか紅く夕陽に染まっていた空に、何故か敬礼していた。
そこには、栽培マンの自爆に巻き込まれたような格好の、エリオのイメージが浮かんでいた…



おしまい