司書15号さんの復帰を祝う勢いに任せ、一日遅れの雛祭りSS
恐らく浅倉さんが昔書いたSSの影響を多分に受けております(;^_^A
「ここは…何処?」
目を覚ますと、なのはは見知らぬ場所に居た。
辺り一面は真っ赤、と言っても、大量殺戮で血の惨劇だったり、大規模破壊で紅蓮の炎に包まれていたり、邪神に同化されてBYDOでまいどだったりするわけではない。
足元に赤い絨毯が敷かれているのだ。
その上に金の屏風と二枚の畳、両端には巨大な照明道具が置かれている。
「あれってたしか…ぼんぼり、だよね?…とんでもなく大きいけど…」
地球の実家で雛祭りをした頃の記憶にある“それ”の巨大バージョンに近付こうとするなのは。
その時である。
「重っ…な、何なの?身体が物凄く重い…って、何、この格好~っ!?」
首から下に異常な重量を感じて自分の身体を見下ろしたなのはは、漸く自分が普段着ないような豪奢な着物を纏っている事に気付く。
「これって…十二単、だよね…お雛様が着てるのと、同じ…」
どう見ても巨大な雛飾りです本当にありがとうございました、な周りの光景。
そして、十二単を着ている自分。
「………私…お雛様になっちゃった…?」
『正解です、なのはさん』
「その声は、リンディさん…って、何なんですかその姿は…」
水でも被って反省させられそうな声に振り向くと、そこにはリインやアギトのような手のひらサイズの、背中に妖精のような羽を生やしたリンディの姿があった。
「………何で原作バージョンなんですか…私の中の人は北○南じゃなくて田村●かりです。貴女の息子の嫁は私じゃなくてエイミィさんですよ?」
『なのはさん、貴女は今から貴女の隣に座るお内裏様を探さなくてはいけません。もし、お内裏様が見つからなければ、この世界は滅んでしまいます!』
「何その展開~!?」
かくしてなのはは世界を救う為に、お内裏様を探す旅に出るのだった…
三人官女の壇に降りていくと、そこには美由紀・エイミィ・アルフの3人が居た。
「どしたの、なのは?」
「私、お雛様だからお内裏様を探しに行かなきゃいけないの…」
「そっか、頑張れ」
軽い口調で淡々と見送る姉に、もっと心のこもった励ましがあってもいいんじゃないかとは思うが、今はそれどころではないので文句は言わない。
「何で私が三人官女に居るのかと言うとー…」
「既婚者だからでしょ。幸せアピールですか。余裕ですね」
「あはは…ブラックオーラ出てるよ?」
調子に乗っているエイミィに、殺気すら感じさせるガンを飛ばして黙らせて。
「急いでるなら早く行きなよ。ここ、女しか居ないから」
「…着物、似合ってないですね…」
「余計なお世話だコンチクショー!アタシだって着たくて着てるわけじゃないんだよ、こんな動き難いの!!」
女官の衣装が壊滅的に似合っていないアルフに素直かつ失礼な感想を述べると、なのはは三人官女の壇を後にした…
続いて五人囃子の壇に降りると、そこ居たのはヴォルケンリッター+2。
「ヴィータちゃん、シャマルさん、ザフィーラ、リイン、アギト…あれ、シグナムさんは?」
「働かないからニートって言うんだよ…」
人数は合っているが、肝心要の将が居ない事に気付いたなのはに、やる気無さそうに答えるヴィータ。
心成しか、その姿まで透けて見えるような…
「ようなじゃなくて透けてるよ!?消えかかってるよヴィータちゃん!」
「何か、さっきからこんな感じなのよね…」
「下の壇で、主に何かあったのかも知れん…」
慌てるなのはに、シャマルとザフィーラの冷遇コンビが告げる。
「下の壇…とにかく、行ってみます!」
お内裏様も居なさそうだったので、なのはは五人囃子の壇を後にした…
「リイン達はスルーですかぁ!?」
「諦めろバッテンチビ」
そして随身の壇に降りたなのはが見たものは…
「なのは…今、僕を笑ったか?」
雛祭りの歌に登場しない左大臣という配役に、矢車さんの如くやさぐれたクロノだった。
「地獄クロノ再開は諦めるの。リア充過ぎて翔太郎さんポジすら失ったクロノ君は、ここの作者に意味も無く虐待されるのがお似合いなの」
前世の夫に対して情けも容赦も無い冷酷な言葉を浴びせるなのは。
「だからあれは私だけど私じゃないの!…クロノ君が左大臣って事は、右大臣は…っ!?」
隣を見やったなのはは絶句した。
そこには『赤いお顔の右大臣製造マシーン』と書かれたプレートを付けたどう見てもタケノヤミカヅチにしか見えないロボの手に握られ、口から一升瓶を突っ込まれて無理やり酒を飲まされているはやての姿があった。
『酒が飲める飲めるぞー、酒が飲めるぞ~♪』
「がぼがぼもがもが…」
何処からともなく流れてくる『日本全国酒飲み音頭』をBGMに、直接喉へと日本酒を注ぎ込まれるはやては、赤いお顔どころか急性アルコール中毒で真っ青な顔になっている。
※一気飲みの無理強いは危険です!絶対に真似しないでください!!
「…はやてちゃん、ケンイチ・カイさんの世界で大和君と幸せになってね…!」
はやてとヴォルケンリッターの冥福と来世の幸せを祈りつつ、なのはは涙ながらに随身の壇を後にした…
「ここで雛壇は終わり…それじゃ、お内裏様は何処に居るの?」
歌に登場しない衛士以下が省略され、何もない場所に降り立ったなのは。
そこへガラガラと音を立て、一台の牛車が到着する。
「ふーっ、すっかり遅れちゃった…」
「ユーノ君っ!」
そう、牛車から降りてきたのは、どう見てもお内裏様な衣冠束帯に身を包んだユーノだった。
「やっぱり私のお内裏様はユーノ君だったの!待っててね、貴方のお雛様が今行くよ~♪」
十二単の重量も何のその、ウキウキルンルンでステップを踏んでユーノへと駆けていくなのは。
と、そこへ…
ヒュンヒュンヒュン!
ドガーンバゴーンズガガーン!!
「ふぇ~っ!?」
いきなり飛来した矢がなのはの足元の地面に突き刺さると同時に、次々と大爆発を起こす。
「ななな、何なの一体!?」
「なのはさん、私のお内裏様に近付かないでくれるかしら…?」
炎と煙が収まると、そこには十二単に身を包んだ千歌音が立っていた。
流石に月の巫女の上にお嬢様であるだけに、その姿はまさに平安時代のお姫様といった風格を漂わせている。
…その手に持った、弓矢さえ無ければだが…
「ユーノ君は私のお内裏様なの!そもそも、私がお雛様なの!!」
「貴女は『リリカルなのは』雛のお雛様でしょう…」
「ふえっ?」
周りを見ろと手振りで示す千歌音に、ふと見回してみると、自分達のもの以外にも、無数の雛壇が立ち並んでいる。
キラがお内裏様、ラクスがお雛様の『ガンダムSEED』雛。
シンがお内裏様、ルナマリアがお雛様の『ガンダムSEED DESTINY』雛。
他にもスグルがお内裏様でビビンバがお雛様の『キン肉マン』雛まであるし、クゥがお内裏様でノイエがお雛様の『ハーベストマーチ』雛は供揃い無しの内裏雛のみで姉弟2人の世界である。
「そしてユーノは『神無月の巫女』雛のお内裏様よ」
「ユーノ君は『リリカルなのは』のキャラなの!」
「INNOCENTで人間としての存在を抹消しておいてよく言うわ!」
「ぐぬぬ…!」
公式の冷遇ここに極まれりという最新の事実を持ち出され、何も反論出来なくなるなのは。
「只のフェレットでいいなら、人間のユーノは姉の私が貰っていくわ。さぁ、行きましょうユーノ」
「うん」
かくしてお内裏様のユーノとお雛様の千歌音を先頭に、ミヤコ・レーコ・乙羽の三人官女、ソウマ・姫子・ギロチ・ネココ・コロナの五人囃子、左大臣のカズキと右大臣のツバサ以下、衛士やら三歌人やら鶴と亀やら稚児やらがぞろぞろと続く、セレブな雛飾り行列が『神無月の巫女』雛の壇を上がっていった。
「そんな…だったら、私のお内裏様は一体…?」
「なのは、こんなとこに居たんだ。早く行こう?」
「早くって、ユーノ君を取られて誰と行けって…何なのフェイトちゃん、その格好は!?」
呼びかけられて振り返ったなのはは、言葉を失った。
そこに立つフェイトの衣装は女雛の十二単ではなく、先程のユーノと同じ、お内裏様の衣冠束帯だったからである。
「何って…」
「決まってるじゃないの。フェイトはなのはのお内裏様よ」
モジモジと恥らいながら口籠るフェイトに代わり、唐突に現れたアリサがしたり顔で断言する。
「フッザケンナなの!アリサちゃんは原作通り、誘拐されて集団レイプされて死んでれば良かったの!!」
INNOCENTでの恨みを込めて激昂するなのはだが、時、既に遅く…
「なのはちゃん、お幸せに」
「妹を宜しくネッ☆」
「フェイト…幸せになりなさい…」
満面の笑顔で見送るすずか、どう見ても妹より年下にしか見えないアリシア、馬鹿親(親馬鹿に非ず)全開で涙ながらに娘の門出を祝うプレシアが、2人を祝福している。
「さ、行こうなのは」
「嫌ーっ!なのフェイは嫌なの~っ!!私はっ!私はノーマルなの!!助けてユーノ君!!!」
抵抗も虚しく、お内裏様のフェイトにお雛様のなのはは連れ去られ…
「………う~ん…嫌ぁ…百合なお雛様は嫌なのぉ…」
「なのは?なのは大丈夫?」
「うーん…っ!?」
悪夢に魘されるなのはが目を覚ますと、そこには心配そうに見つめるフェイトのドアップが。
「嫌ぁぁぁっ!?」
「な、なのは?」
「 す た ー ら い と ぶ れ い か ー ! ! ! 」
ドッゴーン…!!!
そして、高町家の壁を桃色の閃光が貫いた…
「起きるなり、人に向けて収束魔法ぶっ放すなんて…」
「何考えてるの、なのはママ?」
「だって…本当に洒落にならないぐらい嫌な夢だったんだもん…」
修理業者の人が壁に空いた大穴を直す中、フェイトとヴィヴィオの前で正座して説教されるなのはだった…
おわり
雛飾りは雛祭り当日内に片付けないと行き遅れると言うけど、なのはさんは一生結婚出来ないから一日延びても問題無い!
恐らく浅倉さんが昔書いたSSの影響を多分に受けております(;^_^A
「ここは…何処?」
目を覚ますと、なのはは見知らぬ場所に居た。
辺り一面は真っ赤、と言っても、大量殺戮で血の惨劇だったり、大規模破壊で紅蓮の炎に包まれていたり、邪神に同化されてBYDOでまいどだったりするわけではない。
足元に赤い絨毯が敷かれているのだ。
その上に金の屏風と二枚の畳、両端には巨大な照明道具が置かれている。
「あれってたしか…ぼんぼり、だよね?…とんでもなく大きいけど…」
地球の実家で雛祭りをした頃の記憶にある“それ”の巨大バージョンに近付こうとするなのは。
その時である。
「重っ…な、何なの?身体が物凄く重い…って、何、この格好~っ!?」
首から下に異常な重量を感じて自分の身体を見下ろしたなのはは、漸く自分が普段着ないような豪奢な着物を纏っている事に気付く。
「これって…十二単、だよね…お雛様が着てるのと、同じ…」
どう見ても巨大な雛飾りです本当にありがとうございました、な周りの光景。
そして、十二単を着ている自分。
「………私…お雛様になっちゃった…?」
『正解です、なのはさん』
「その声は、リンディさん…って、何なんですかその姿は…」
水でも被って反省させられそうな声に振り向くと、そこにはリインやアギトのような手のひらサイズの、背中に妖精のような羽を生やしたリンディの姿があった。
「………何で原作バージョンなんですか…私の中の人は北○南じゃなくて田村●かりです。貴女の息子の嫁は私じゃなくてエイミィさんですよ?」
『なのはさん、貴女は今から貴女の隣に座るお内裏様を探さなくてはいけません。もし、お内裏様が見つからなければ、この世界は滅んでしまいます!』
「何その展開~!?」
かくしてなのはは世界を救う為に、お内裏様を探す旅に出るのだった…
三人官女の壇に降りていくと、そこには美由紀・エイミィ・アルフの3人が居た。
「どしたの、なのは?」
「私、お雛様だからお内裏様を探しに行かなきゃいけないの…」
「そっか、頑張れ」
軽い口調で淡々と見送る姉に、もっと心のこもった励ましがあってもいいんじゃないかとは思うが、今はそれどころではないので文句は言わない。
「何で私が三人官女に居るのかと言うとー…」
「既婚者だからでしょ。幸せアピールですか。余裕ですね」
「あはは…ブラックオーラ出てるよ?」
調子に乗っているエイミィに、殺気すら感じさせるガンを飛ばして黙らせて。
「急いでるなら早く行きなよ。ここ、女しか居ないから」
「…着物、似合ってないですね…」
「余計なお世話だコンチクショー!アタシだって着たくて着てるわけじゃないんだよ、こんな動き難いの!!」
女官の衣装が壊滅的に似合っていないアルフに素直かつ失礼な感想を述べると、なのはは三人官女の壇を後にした…
続いて五人囃子の壇に降りると、そこ居たのはヴォルケンリッター+2。
「ヴィータちゃん、シャマルさん、ザフィーラ、リイン、アギト…あれ、シグナムさんは?」
「働かないからニートって言うんだよ…」
人数は合っているが、肝心要の将が居ない事に気付いたなのはに、やる気無さそうに答えるヴィータ。
心成しか、その姿まで透けて見えるような…
「ようなじゃなくて透けてるよ!?消えかかってるよヴィータちゃん!」
「何か、さっきからこんな感じなのよね…」
「下の壇で、主に何かあったのかも知れん…」
慌てるなのはに、シャマルとザフィーラの冷遇コンビが告げる。
「下の壇…とにかく、行ってみます!」
お内裏様も居なさそうだったので、なのはは五人囃子の壇を後にした…
「リイン達はスルーですかぁ!?」
「諦めろバッテンチビ」
そして随身の壇に降りたなのはが見たものは…
「なのは…今、僕を笑ったか?」
雛祭りの歌に登場しない左大臣という配役に、矢車さんの如くやさぐれたクロノだった。
「地獄クロノ再開は諦めるの。リア充過ぎて翔太郎さんポジすら失ったクロノ君は、ここの作者に意味も無く虐待されるのがお似合いなの」
前世の夫に対して情けも容赦も無い冷酷な言葉を浴びせるなのは。
「だからあれは私だけど私じゃないの!…クロノ君が左大臣って事は、右大臣は…っ!?」
隣を見やったなのはは絶句した。
そこには『赤いお顔の右大臣製造マシーン』と書かれたプレートを付けたどう見てもタケノヤミカヅチにしか見えないロボの手に握られ、口から一升瓶を突っ込まれて無理やり酒を飲まされているはやての姿があった。
『酒が飲める飲めるぞー、酒が飲めるぞ~♪』
「がぼがぼもがもが…」
何処からともなく流れてくる『日本全国酒飲み音頭』をBGMに、直接喉へと日本酒を注ぎ込まれるはやては、赤いお顔どころか急性アルコール中毒で真っ青な顔になっている。
※一気飲みの無理強いは危険です!絶対に真似しないでください!!
「…はやてちゃん、ケンイチ・カイさんの世界で大和君と幸せになってね…!」
はやてとヴォルケンリッターの冥福と来世の幸せを祈りつつ、なのはは涙ながらに随身の壇を後にした…
「ここで雛壇は終わり…それじゃ、お内裏様は何処に居るの?」
歌に登場しない衛士以下が省略され、何もない場所に降り立ったなのは。
そこへガラガラと音を立て、一台の牛車が到着する。
「ふーっ、すっかり遅れちゃった…」
「ユーノ君っ!」
そう、牛車から降りてきたのは、どう見てもお内裏様な衣冠束帯に身を包んだユーノだった。
「やっぱり私のお内裏様はユーノ君だったの!待っててね、貴方のお雛様が今行くよ~♪」
十二単の重量も何のその、ウキウキルンルンでステップを踏んでユーノへと駆けていくなのは。
と、そこへ…
ヒュンヒュンヒュン!
ドガーンバゴーンズガガーン!!
「ふぇ~っ!?」
いきなり飛来した矢がなのはの足元の地面に突き刺さると同時に、次々と大爆発を起こす。
「ななな、何なの一体!?」
「なのはさん、私のお内裏様に近付かないでくれるかしら…?」
炎と煙が収まると、そこには十二単に身を包んだ千歌音が立っていた。
流石に月の巫女の上にお嬢様であるだけに、その姿はまさに平安時代のお姫様といった風格を漂わせている。
…その手に持った、弓矢さえ無ければだが…
「ユーノ君は私のお内裏様なの!そもそも、私がお雛様なの!!」
「貴女は『リリカルなのは』雛のお雛様でしょう…」
「ふえっ?」
周りを見ろと手振りで示す千歌音に、ふと見回してみると、自分達のもの以外にも、無数の雛壇が立ち並んでいる。
キラがお内裏様、ラクスがお雛様の『ガンダムSEED』雛。
シンがお内裏様、ルナマリアがお雛様の『ガンダムSEED DESTINY』雛。
他にもスグルがお内裏様でビビンバがお雛様の『キン肉マン』雛まであるし、クゥがお内裏様でノイエがお雛様の『ハーベストマーチ』雛は供揃い無しの内裏雛のみで姉弟2人の世界である。
「そしてユーノは『神無月の巫女』雛のお内裏様よ」
「ユーノ君は『リリカルなのは』のキャラなの!」
「INNOCENTで人間としての存在を抹消しておいてよく言うわ!」
「ぐぬぬ…!」
公式の冷遇ここに極まれりという最新の事実を持ち出され、何も反論出来なくなるなのは。
「只のフェレットでいいなら、人間のユーノは姉の私が貰っていくわ。さぁ、行きましょうユーノ」
「うん」
かくしてお内裏様のユーノとお雛様の千歌音を先頭に、ミヤコ・レーコ・乙羽の三人官女、ソウマ・姫子・ギロチ・ネココ・コロナの五人囃子、左大臣のカズキと右大臣のツバサ以下、衛士やら三歌人やら鶴と亀やら稚児やらがぞろぞろと続く、セレブな雛飾り行列が『神無月の巫女』雛の壇を上がっていった。
「そんな…だったら、私のお内裏様は一体…?」
「なのは、こんなとこに居たんだ。早く行こう?」
「早くって、ユーノ君を取られて誰と行けって…何なのフェイトちゃん、その格好は!?」
呼びかけられて振り返ったなのはは、言葉を失った。
そこに立つフェイトの衣装は女雛の十二単ではなく、先程のユーノと同じ、お内裏様の衣冠束帯だったからである。
「何って…」
「決まってるじゃないの。フェイトはなのはのお内裏様よ」
モジモジと恥らいながら口籠るフェイトに代わり、唐突に現れたアリサがしたり顔で断言する。
「フッザケンナなの!アリサちゃんは原作通り、誘拐されて集団レイプされて死んでれば良かったの!!」
INNOCENTでの恨みを込めて激昂するなのはだが、時、既に遅く…
「なのはちゃん、お幸せに」
「妹を宜しくネッ☆」
「フェイト…幸せになりなさい…」
満面の笑顔で見送るすずか、どう見ても妹より年下にしか見えないアリシア、馬鹿親(親馬鹿に非ず)全開で涙ながらに娘の門出を祝うプレシアが、2人を祝福している。
「さ、行こうなのは」
「嫌ーっ!なのフェイは嫌なの~っ!!私はっ!私はノーマルなの!!助けてユーノ君!!!」
抵抗も虚しく、お内裏様のフェイトにお雛様のなのはは連れ去られ…
「………う~ん…嫌ぁ…百合なお雛様は嫌なのぉ…」
「なのは?なのは大丈夫?」
「うーん…っ!?」
悪夢に魘されるなのはが目を覚ますと、そこには心配そうに見つめるフェイトのドアップが。
「嫌ぁぁぁっ!?」
「な、なのは?」
「 す た ー ら い と ぶ れ い か ー ! ! ! 」
ドッゴーン…!!!
そして、高町家の壁を桃色の閃光が貫いた…
「起きるなり、人に向けて収束魔法ぶっ放すなんて…」
「何考えてるの、なのはママ?」
「だって…本当に洒落にならないぐらい嫌な夢だったんだもん…」
修理業者の人が壁に空いた大穴を直す中、フェイトとヴィヴィオの前で正座して説教されるなのはだった…
おわり
雛飾りは雛祭り当日内に片付けないと行き遅れると言うけど、なのはさんは一生結婚出来ないから一日延びても問題無い!