※注意※
今回、フェイトがとんでもない事になります



前回までのあらすじ

死後の世界で途方に暮れるなのはの前に現れた謎の二頭身物体、仮面ライダーブレイド(自称)。
自分が死んだ原因がこのオンドゥル野郎との激突事故と知り、収束魔法をぶっ放して猛抗議するなのはだが、ブレイドを大気圏突入までさせて引き寄せたのは、ユーノともう一度やり直したいという彼女自身の願いだった。
ハチャメチャなマイペースで散々なのはを振り回した末にブレイドが呼んだのは、時の列車NEWドゥルライナー。
次の停車駅は、過去か、未来か…



さて、ここで時間は少し遡り、なのはがあの世でブレイドとすったもんだな問答を繰り広げている頃。
なのはと別ルートで家路に向かっていたフェイトは、つい先程別れた親友がまさかこの世から塵も残さず消滅しているとは夢にも思わず、重く、覚束無い足取りで、暗い夜道を歩いていた。
こんな時間に妙齢の女性が、それもフェイトほどの美女が酒に酔って一人歩きなど、本来なら危険極まりないところだが、人っ子一人通りかからないような道を選んだのが幸いしてか、彼女を襲うような不逞の輩は居ない。

「グスッ…ソウマぁ…ソウマ~…ふぇぇぇぇぇ…」

…仮に居たとしても、べろんべろんなまでに酔っ払い、顔を真っ赤に泣き腫らし、男の名を呼びながら、時折鼻をグズグズ言わせてる女など、幾ら美人でも襲おうとする前に気分が萎えてしまうだろうが…

「私って…ホント、馬鹿…」

「もう、何も怖くない」と並ぶ死亡フラグに加え、悪堕ちフラグまで追加された不吉な言葉を呟き出した今のフェイトは、マジで飛び込む5秒前である。
近くに深くて流れの急な川が無かったのがせめてもの救いか。

「ソウマは、別の世界から来た人だから…こんな日が、いつか来るかも知れないって…何で、思いもしなかったんだろ…」

現状に満足し、現状を変えてしまう事を恐れ、現状が変わってしまう事など考えてもいなかった。
そんな自分の浅はかさを思い知らされ、フェイトは自虐的思考のドツボに陥っていた。

「………私が、弱いから…臆病だから…」

ソウマは姫子の事が好きだから、自分はソウマに妹のようにしか思われていないから、そうやって自分を納得させていたが、所詮はソウマに告白してふられる事を怖がっての言い訳だ。
一から十までなのはに追従し、ヴィヴィオの求めるままにもう一人の『ママ』に復帰し、レズビアン扱いも管理局の方針ならと黙認してきた。
これは、そんな自分への罰なのだ…と。

「母さん…私、やっぱり出来損ないだ…」

フェイトが呟いた『母さん』とは、義母のリンディではなく、自分のオリジナルであるアリシアの母、プレシアである。
今なら、彼女が自分を失敗作と罵ったのも理解出来る…フェイトはそこまで追い詰められていた。

…と、その時。

プワァァァン!

「………?」

突如聞こえてきた汽笛のような音に、ふと立ち止まって振り向くフェイト。

ガタンゴトン、ガタンゴトン…

「列車…?」

続いて聞こえてきたのは、近くに線路があるわけでもないのに、列車が走ってくるような音。
同時に、眩い光がこちらに向かって近付いてくるのが見えてくる。

…フェイトは、いつの間にか、その光に誘われるように、フラフラと歩き出すのだった…



一方その頃、なのはとブレイドは…

『自動走行機能が制御不能ディス~!?』
「やっぱり乗るんじゃなかった~!」

暴走し、猛然と揺れるNEWドゥルライナーの車内に居た。
その向かう先は…



何故、あの光に惹かれたのか?
それは自分の心が真っ暗な闇の底に沈んでいたからかも知れない。
暗闇の中でもがく自分を照らしてくれた光、フェイトはそれに縋るように歩を進めていった。

「………え?」

だが、その光が、凄まじい熱量を伴った白熱光である事に気付き、その向こうに巨大な、



(OwO)



という、顔のような模様が見えた時、フェイトは、その光に近付いてはいけないと思い直した。

…しかし、時、既に遅く…



ギギギギギッ!!!

『ウェイッ!?』
「わわわっ!?」

耳障りな音を立て、急停車するNEWドゥルライナー。
その衝撃で起きた一際大きな揺れに、ブレイドもなのはも思いっきり床に叩き付けられる。

「イタタタタ…と、止まった…?」
『ウェ~イ…どうやら、人身事故が起きたようディス…』
「人身、って…どどど、どうするの!?この列車、さっきまであんな猛スピードで走ってたんだよ!?ぶつかったら怪我じゃ済まないよ!?」
『大気圏突入までやったディスからね~…おそらく、なのはさんのように…』

プシュー…

ブレイドの言葉を遮るように、乗降口のドアが開いた。
そして、その向こうには…

「…なのは?」
「…フェイトちゃん?」
『ウェーイ、人身事故の被害者はフェイトさんディしたか…』



この日、フェイト・T・ハラオウンは、23年の短い生涯に幕を下ろした…



つづく



さあ、ここから本当にどうしたものやら…(ヲイ