「マズイな、完璧に遅刻だよ…」
朝と言うには少し遅い。
昼と言うには少し早い。
要するに午前10時頃の、人けの無い通学路を、単車でかっ飛ばしていく一人の少年。
彼の名はシェイド。
『国立ダンデライオン学園』に通う、ピッカピカの高校一年生である。
「でも、このまま飛ばせば、三間目の授業には間に合うな…ん?」
校門が見えてきて安堵したシェイドだったが、そのど真ん中で腕組みして仁王立ちする人影を認識した途端、彼の米神を冷汗が伝った。
黒いロングヘアに黒真珠のような瞳、シャツとブラウスを盛り上げて自己主張する豊かな双丘。
「シェイド君、今日も遅刻ですよ!?」
「うわっ…やっぱり、セイラ先生だ…」
身に纏った穏やかな雰囲気を一変させ、シェイドを一喝する女性。
彼女の名はセイラ。
このダンデライオン学園で、生活指導を担当している女教師である。
「入学一ヶ月で早くも遅刻の常習犯だなんてどういう生活してるんですか?今日という今日は、みっちりお説教させてもらいますからね!」
「それは勘弁っ!」
このまま止まれば即御用→昼休みまで説教二時間コースは確実と、シェイドは加速と共に単車をセイラの前で急カーブさせる。
「きゃっ…!?」
「っ!?」
巻き起こる風。
それによって捲れ上がるセイラのロングスカート。
そしてシェイドの視界に、絶対領域を超えて見えたのは…
純 白 の 三 角 地 帯 。
「って、何なのこれはーっ!?」
突如始まったセンスの古い学園SSに耐えかねて、前回、壮絶な最期を遂げた前主人公、高町なのはが叫んだ。
「…あれ?ここは何処?…私、どうなったんだっけ…?」
我に返ったなのはは、自分の身に起きた出来事を振り返る。
空から飛来した、隕石と思しき物体との激突。
その瞬間に目撃し、何故か今も脳裏に焼き付いて離れない、(OwO)の模様。
「夢、だったのかな…でも、どうしてこんな所に…」
それまでの出来事と、今現在の自分が置かれている状況とがどうしても繋がらない事に悩んだなのはは、ふと周りを見渡してみる。
空からは、うららかな日差し。
足下には、咲き乱れる花々。
そして目の前には、耳に心地好いせせらぎと共に流れる、澄み切った小川。
ふと小川の向こうに視線を向けると、何人かの人影が見える。
「とりあえず、ここが何処か聞いてみよう。あの、すみませー…っ!?」
小川の向こうに居る人々に声をかけようとして、なのはの表情は凍り付いた。
親子連れと思しき、ウェーブがかった黒髪の妙齢の女性と、フェイトによく似た金髪に紅い瞳の幼女。
あれはPT事件の張本人であるプレシア・テスタロッサと、その娘でフェイトのオリジナルであるアリシア・テスタロッサではないか。
その傍らに佇んでいる猫耳の女性は、フェイトから聞いた事のある、プレシアの使い魔のリニスだろうか。
クロノによく似た男性が居る。
彼は闇の書の暴走によって命を落とした、リンディの夫にしてクロノの父、クライド・ハラオウンか。
銀髪に紅い瞳の女性は、最後の闇の書事件で対峙した初代リインフォースに間違いない。
ギンガによく似た女性も居る。
ゲンヤの妻であり、ギンガ、スバル、ノーヴェの遺伝子上の母であるクイント・ナカジマであろう。
何処かティアナの面影を感じさせる青年は、彼女の兄のティーダ・ランスターと思われる。
他にもゼスト・グランガイツや、レジアス・ゲイズの姿も見える。
『この者、殺人実行犯』と書かれた立て札の横で、盛大に大釜の中で釜茹でにされているナンバーズスーツの女性は、JS事件で唯一死亡したナンバーズの次女、ドゥーエだろう。
要するに、全て死人か、消滅した使い魔、融合騎である。
「もしかして…ここって、死後の世界?…私、死んじゃったの…?」
ここにきてなのはは、漸く自分が死んだという現実を理解した。
「………嫌だよぉ…私、まだ死にたくない…ヴィヴィオを残して死ねないし…それに…」
糸が切れた人形のように膝を突き、項垂れ、嗚咽混じりに呟くなのは。
その脳裏に浮かぶのは、まだ幼い娘の姿と…
「それに…ユーノ君と、あんなお別れでおしまいだなんて…絶対、嫌だ…」
やはり何よりも未練なのはユーノとの事。
と、その時である。
キィィィィィン…
空気全体を揺さぶるような音と共に、どう見ても三途の川としか思えなくなった小川の水面が眩い光を放ち出す。
まるで、泣きじゃくるなのはの想いに応えるかのように…
「っ…な、何…?」
目の前で起きる現象に、力なく立ち上がり身構えるなのは。
その次の瞬間。
『ウェーイ!そんな現象とは全く脈絡無く、地の底からオディ、参上!!』
ボコォッ!と、なのはの足元の地面を突き破り、モグラ叩きのモグラのように飛び出した青い物体。
ドラえもんとオバQの合いの子のようなその物体の顔と思しき部分は、(OwO)のAAで描き表せそうな、赤い複眼と口らしきもので構成されていた…
つづく
というわけで、『高町なのは再生工場』はまだ続きます(ヲイ
朝と言うには少し遅い。
昼と言うには少し早い。
要するに午前10時頃の、人けの無い通学路を、単車でかっ飛ばしていく一人の少年。
彼の名はシェイド。
『国立ダンデライオン学園』に通う、ピッカピカの高校一年生である。
「でも、このまま飛ばせば、三間目の授業には間に合うな…ん?」
校門が見えてきて安堵したシェイドだったが、そのど真ん中で腕組みして仁王立ちする人影を認識した途端、彼の米神を冷汗が伝った。
黒いロングヘアに黒真珠のような瞳、シャツとブラウスを盛り上げて自己主張する豊かな双丘。
「シェイド君、今日も遅刻ですよ!?」
「うわっ…やっぱり、セイラ先生だ…」
身に纏った穏やかな雰囲気を一変させ、シェイドを一喝する女性。
彼女の名はセイラ。
このダンデライオン学園で、生活指導を担当している女教師である。
「入学一ヶ月で早くも遅刻の常習犯だなんてどういう生活してるんですか?今日という今日は、みっちりお説教させてもらいますからね!」
「それは勘弁っ!」
このまま止まれば即御用→昼休みまで説教二時間コースは確実と、シェイドは加速と共に単車をセイラの前で急カーブさせる。
「きゃっ…!?」
「っ!?」
巻き起こる風。
それによって捲れ上がるセイラのロングスカート。
そしてシェイドの視界に、絶対領域を超えて見えたのは…
純 白 の 三 角 地 帯 。
「って、何なのこれはーっ!?」
突如始まったセンスの古い学園SSに耐えかねて、前回、壮絶な最期を遂げた前主人公、高町なのはが叫んだ。
「…あれ?ここは何処?…私、どうなったんだっけ…?」
我に返ったなのはは、自分の身に起きた出来事を振り返る。
空から飛来した、隕石と思しき物体との激突。
その瞬間に目撃し、何故か今も脳裏に焼き付いて離れない、(OwO)の模様。
「夢、だったのかな…でも、どうしてこんな所に…」
それまでの出来事と、今現在の自分が置かれている状況とがどうしても繋がらない事に悩んだなのはは、ふと周りを見渡してみる。
空からは、うららかな日差し。
足下には、咲き乱れる花々。
そして目の前には、耳に心地好いせせらぎと共に流れる、澄み切った小川。
ふと小川の向こうに視線を向けると、何人かの人影が見える。
「とりあえず、ここが何処か聞いてみよう。あの、すみませー…っ!?」
小川の向こうに居る人々に声をかけようとして、なのはの表情は凍り付いた。
親子連れと思しき、ウェーブがかった黒髪の妙齢の女性と、フェイトによく似た金髪に紅い瞳の幼女。
あれはPT事件の張本人であるプレシア・テスタロッサと、その娘でフェイトのオリジナルであるアリシア・テスタロッサではないか。
その傍らに佇んでいる猫耳の女性は、フェイトから聞いた事のある、プレシアの使い魔のリニスだろうか。
クロノによく似た男性が居る。
彼は闇の書の暴走によって命を落とした、リンディの夫にしてクロノの父、クライド・ハラオウンか。
銀髪に紅い瞳の女性は、最後の闇の書事件で対峙した初代リインフォースに間違いない。
ギンガによく似た女性も居る。
ゲンヤの妻であり、ギンガ、スバル、ノーヴェの遺伝子上の母であるクイント・ナカジマであろう。
何処かティアナの面影を感じさせる青年は、彼女の兄のティーダ・ランスターと思われる。
他にもゼスト・グランガイツや、レジアス・ゲイズの姿も見える。
『この者、殺人実行犯』と書かれた立て札の横で、盛大に大釜の中で釜茹でにされているナンバーズスーツの女性は、JS事件で唯一死亡したナンバーズの次女、ドゥーエだろう。
要するに、全て死人か、消滅した使い魔、融合騎である。
「もしかして…ここって、死後の世界?…私、死んじゃったの…?」
ここにきてなのはは、漸く自分が死んだという現実を理解した。
「………嫌だよぉ…私、まだ死にたくない…ヴィヴィオを残して死ねないし…それに…」
糸が切れた人形のように膝を突き、項垂れ、嗚咽混じりに呟くなのは。
その脳裏に浮かぶのは、まだ幼い娘の姿と…
「それに…ユーノ君と、あんなお別れでおしまいだなんて…絶対、嫌だ…」
やはり何よりも未練なのはユーノとの事。
と、その時である。
キィィィィィン…
空気全体を揺さぶるような音と共に、どう見ても三途の川としか思えなくなった小川の水面が眩い光を放ち出す。
まるで、泣きじゃくるなのはの想いに応えるかのように…
「っ…な、何…?」
目の前で起きる現象に、力なく立ち上がり身構えるなのは。
その次の瞬間。
『ウェーイ!そんな現象とは全く脈絡無く、地の底からオディ、参上!!』
ボコォッ!と、なのはの足元の地面を突き破り、モグラ叩きのモグラのように飛び出した青い物体。
ドラえもんとオバQの合いの子のようなその物体の顔と思しき部分は、(OwO)のAAで描き表せそうな、赤い複眼と口らしきもので構成されていた…
つづく
というわけで、『高町なのは再生工場』はまだ続きます(ヲイ