うちのブログの宮様の一週間を、彼女の日記で追ってみた
これはユーノ・スクライアの姉・姫宮千歌音の、愛と欲望と暴走の日常を綴った記録である(ヲイ



○月○日 (月)

今日は月曜日。
世間一般では休みが明けて仕事が始まる日だ。
しかし無限書庫は現在、某提督からの大量の資料請求に追われ、土日の休みなど存在しない。

ユーノも碌に休みを取らず、司書達の陣頭指揮を執っている。
先週は平日の間、ずっと不眠不休という無茶をしていたので、土日は実力行使で定時に連れ帰って屋敷で休ませたが、やはり心成しか顔色が悪く見える。

とりあえず某提督の今の任務先に、EXゼットンをけしかけておいてやろうと心に決めた。



○月×日 (火)

『白昼の淫行!無限書庫司書長ユーノ・スクライアは実の姉と近親相姦の関係だった!!』

安っぽい三流ゴシップ誌の宣伝を思わせる見出しの怪文書が、書庫内で抱き合う私とユーノの写真付きで、書庫の正面入口に張り出されていた。
最早恒例になっている、なのフェ親衛隊の嫌がらせだ。

内容は取り立てて書き出す気も失せるほどの、稚拙な憶測のみで構成された嘘八百(要約すると、ユーノは女にモテないから実姉の私に手を出した、という内容だ)、写真は手の込んだ合成写真と、こんな事に費やす無駄な努力を他の方面に向ければいいものをと思うが、彼らはこの世に生まれてきた事そのものが無駄なので、やる事為す事全てが無駄なのも仕方のない事だろう。

そもそも私は何処かの六課の面々と違って、仕事とプライベートの線引きはきちんとしているから、書庫内でユーノとそういう行為に及んだ事は一度も無い。

まあ合成写真はよく出来ていたので、怪文書はそのまま匿名で某教導官に送っておいた。

その日の戦技教導が地獄のブートキャンプと化し、参加した武装隊の局員が心と身体に深い傷を追ったようだが、私の知った事じゃない。



○月△日 (水)

某提督が任務先で重傷を負って帰還を余儀なくされたそうだ。
帰還後に即入院したそうなので、そのうち鉢植えでも持って見舞いに行ってやろうかと思う。

それにしても、メビウスとメカザムを苦戦させた宇宙恐竜相手に重傷で済むとは、やはり黒光りするだけあってしぶといようだ。
次回はファイヤーゼットンかハイパーゼットンでもけしかけてやるとしよう。

そう言えば、彼の義妹の某執務官は黒くて素早かった。

…これからあの兄妹の事を考えると、脳内で家庭内害虫に変換されてしまいそうだ…



○月□日 (木)

『T.N教導官とF.T.H執務官、結婚秒読み!?』

なのフェ親衛隊が、相も変わらず文才の欠片も無い怪文書をユーノに送り付けてきた。
司書長への文書のチェックも私の仕事なので、当然、この紙切れがユーノの目に触れる事は無い。

そもそもミッドに同姓婚を認めた法律は無いし(禁じた法律も無いが)、養子を取って互いを「ママ」と呼ばせ、事実婚状態でお飯事しているガチレズどもの近況を、何故わざわざユーノに送り付けてくるのか。
ユーノにはもう私という生涯の伴侶が居るのだ。
結婚は出来ないが、元来結婚とは家族ではない赤の他人だった男女が家族になる事なのであり、既に姉弟という家族である私とユーノは結婚などする必要が無い。

とりあえず怪文書はコピーして、某六課のメンバー全員に匿名で送り付けておいた。

その日、某六課の出撃で、戦闘機人のメスゴリラと陰険眼鏡が地獄を見たようだが、犯罪者の安否など私の関知する事ではない。



○月☆日 (金)

今日は某提督のお見舞に本局内の病院に行ってみた。
某提督は私の顔を見るなり、開口一番「覚えてろよ」と言ってきたが、ここは命を取らないでおいてくれた私の寛容さに感謝の言葉を述べるのが普通ではないのだろうか。
やはり両肩に棘の付いたような、子供がヒーローごっこで考えたようなバリアジャケットを着用してるような人種は、礼儀というものを弁えていないようだ。

それでも私が嫌な顔一つせず、見舞の品である鉢植えを窓際に置いてやると、今度は「嫌がらせか」と品性の欠片もない暴言を吐いてくるので、笑顔で「貴方がこの鉢植えのように、「このまま根付いて(寝付いて)くれますように」というおまじないよ」と素直に答えると、また「覚えてろよ」と馬鹿の一つ覚えのように言った後、出て行けと言わんばかりに無言でドアを指し示してきた。
これ以上、戦闘の事しか頭に無い、脳味噌が筋肉で出来ている人種と話しても無駄だと観念し、私は病室を後にした。

帰りの廊下で某提督の奥方と鉢合わせしたので、先週、某提督が聖王教会の某少将と仲睦まじそうにティータイムを満喫していたのを見かけた事を教えてやった。

病院を後にする際、某提督の病室から絞め殺されるニワトリのような声が聞こえたが、私が気にする必要の無い事だろう。



○月*日 (土)

某提督の容態が何故か悪化した為、今週末は急な資料請求も無く、私もユーノも自宅で休暇を過ごせる事になった。

と、喜んでいた矢先、某教導官が招待もしていないのに屋敷に訪ねてきた。
招かれざる客なので丁重に追い返そうと、門に3000万ボルトの超高圧電流を流してやったが、少し怯んだ後すぐに突破してきた。

管理局の白い悪魔はバケモノか!?

仕方がないので、私が直接出向いて帰るよう説得してみたが、向こうはユーノに会わせろの一点張りで話にならない。
これだから戦闘民族高町家の人間は始末に終えないのだ。

実力行使で追い返そうと、久しぶりに紅いタケノヤミカヅチで遣り合ったが、流石に大六課の時よりは彼女なりに学習したのか、あっさりと撃墜されてはくれない。
庭がクレーターだらけになったところで、騒ぎに気付いたユーノが割って入り、某教導官に「悪いけど、今日は帰ってくれないかな」と追い返してくれた。

ユーノが助けてくれた事が嬉しくて抱き締めようとしたら、戦った事を怒っているのか、拗ねた表情で私の腕からすり抜けてしまった。

ユーノの機嫌が悪いまま土日のお休みを終えるのは嫌なので、今夜は久しぶりにお風呂で背中を流してあげようと思う。



○月@日 (日)

今日は姫子が遊びに来た。
ツヤツヤした顔で出迎えると、いきなりハリセンで顔面を叩かれた。
何故?

続いて少しやつれた顔のユーノを見ると、また私の顔をハリセンで、今度は往復で叩いてきた。
何故?

あまりにも姫子の機嫌が悪いので、ユーノに聞こえないように「もしかして、あの日?」と気を遣って聞いてみたら、気が付いたら身体をロープで縛られて逆さ吊りにされ、冷水を湛えた樽の中に頭から突っ込まされた。

流石にデリカシーが足りなかったと反省し、今日は姫子に昼食を食べていってもらう事にすると、即座に機嫌を直して大神君を携帯で呼び付け、4人で昼食のテーブルを囲む事になった。

大神君と結婚して早4年、姫子も逞しくなったものだと、親友として嬉しくもあり、まんまと昼食を集られて少し腹立たしくもあったので、乙羽に命じてミートボールの中にあの子の嫌いな椎茸を混ぜ込ませておいた。
食感で気付いて涙目になる姫子を見て、少し溜飲が下がった気がした。

流石にそのままでは後味が悪いので、帰り際の姫子に、『J親父』さんから定期購入している『J印のファイト百発!!』を一箱分けてあげると、意味深な笑顔でサムズアップを返してきた。

翌日の大神君の仕事に響かなければいいが、私には関係の無い事だからまあいいか。



以上、無限書庫司書・姫宮千歌音の日記より抜粋
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