今年に入って、86歳と高齢になり、
実家から歩いて10分くらいのところに
越してきた一人暮らしの祖母がいる。
実家近くに越してきたとはいえ
私は、1ヶ月に一回くらいしか会ってないのだけれど。
去年の夏にすったもんだしたこともあって
正直、
「おばあちゃんに会いに行こう!」
という気はない。
たまには一緒にご飯食べに行かなきゃなぁ
と、なんだか仕事みたいな、義務みたいになっているのがほんとのところ。
とてもおおらかな人柄。
なんだけど、おおらかすぎるというか
ほわーんとしすぎてるというか
何も考えていないようなところ昔からある。
相手の都合とかをあまり考えない。
さっき急に、私のケータイに祖母から電話がかかってきた。
「今近所のスーパーにいるんやけど、
雨が降ってきてしもて、
ちょっと傘持ってきてくれへんかな?」
おぉ、、そうきたか。。
私は少しおののいた。
傘を持ってきてと誰かに頼まれたのが、まず久しぶりだった。
そして、なんの悪気もなく、当たり前のように持ってきてくれと頼む祖母の態度に驚いた。
その次に、そう思ってしまう自分って冷たいのかな
と少し自己嫌悪。
いや、でも、私今週出産予定のお腹1m、
お腹の子の推定体重は既に3000g超えの妊婦の中の妊婦で
最近は重たいお腹抱えての外出も億劫で極力控えているし
足腰もだいぶキテるんだけど
その私に頼んじゃうんだ、、。
まあそんなこちらの状況を想像していないことはわかってるんだけども。
とりあえず、
「じゃあ行くよ」
と言った。
「ほな待ってるわ」
おぉ・・
「ごめんなー」とか「面倒かけるねえ」とか、ないんだ・・
みんな家でゴロゴロしてて、いつでも時間を作れると思ってるのかな。
うん、・・悲しいけど、実際思っていそう。。
けどよく考えてみると、
スーは、今から昼寝する態勢に入っていて
わたしに眠そうにすり寄っている。
しかも西の空が晴れてきていて、
もうすぐ雨は止みそうだ。
・・・傘、買わないのかな?
ちょっと冷たいかも と思いながら
「傘、多分スーパーに売ってるよ。
スーの寝かしつけに今から入るから、行くの少し時間がかかりそう」
と言ってみた。
「え?傘なんて売ってる?そうかなぁ。」
半信半疑だ。
今はコンビニでもスーパーでも、傘が売ってるということを
多分知らないのだろう。
もしくは、気軽に『ビニール傘を買う』という発想がないか、
発想はできても、抵抗があるのかもしれない。
それはそうとして、
今からきっと、スーパーで自力で傘を探してみて、
「やっぱりないわ 」
という電話がもう一回かかってくる予感がする。。
「うーん、化粧品売り場の方かなぁ・・」
やっぱり自分であれこれ考えている。
「店員さんにきいたらわかるから!ね!絶対あるから!」
そう言って、一旦電話を切った。
数分後、電話が鳴った。
「傘売ってたわ。あんた来んでええわ。」
あーよかった。
既に雨は小雨になっていた。
でも、今後こういう対応が増えるのは
正直ちょっとごめんだなぁ。。
85を過ぎたおばあちゃんって、
物忘れがひどくなると同時に、
言い方は厳しいけど、
他人への配慮とかも欠けていくものなのかなぁ。
この人は今忙しいかもしれない って、
思わないのかなぁ。
実際、実の息子である父にも、
勤務時間中に(父からすると)しょーもないことで電話がかかって来るっていうし。
でも認知症の判定は出ないし。
ふー。
昔はこんなふうにおばあちゃんに対して面倒に思うこと、
なかったんだけどなぁ。
なんだか複雑な気持ちです。
