あなたは「産後クライシス」という言葉を聞いたことはありますか?
テレビで放送されて以来、初めて注目を集めた産後の女性に現れる症状のことを指します。
この産後クライシスという症状を知らなければ、産後夫婦の間に修復のできない大きな亀裂が入るかもしれませんよ。
産後クライシスとは?
クライシス(crysis)とは「危機」「局面」「崩壊」といった意味で、その名の通り子供を産んだ後に家庭が崩壊してしまう現象のことです。
母子家庭(父子家庭)となった時期のアンケート結果で、出産後2年以内と答えた割合が全体の3割以上となっています。
どんな人が産後クライシスになりやすい?
「子どもを産む=幸せ」と連想する女性も多くいることでしょう。
大切なパートナーと結婚し、2人の間にかけがえのない新しい命が誕生すると考えれば妊娠中は幸せでいっぱいですよね。
しかし、本当の幸せな家庭を築けるかどうかというのは、産後すぐから決まってしまいます。
特に産後クライシスにかかりやすい女性は、完璧主義の方に多いとも言われています。
産後の赤ちゃんとの生活は、今までひとりで過ごしてきたことがほとんどできなくなります。
自分の思い通りの時間には行動できなくなり、ストレスを感じてしまう事が考えられます。
そして、イクメンブームで家事を手伝う男性などが多く取り上げられていることにより、自分のパートナーもイクメンになるのでは?と期待していた方にも、産後クライシスになってしまう場合が多く見られます。
産後、女性ひとりに家事や育児を押し付けるパートナーの場合、女性の方は不満が溜まってしまうからです。
最後に考えられるのは、やはり思いやりのない行動でしょう。
産後で疲れている女性はかなり繊細な状態です。そんな時に言われたデリカシーのない一言というのは一生忘れられない傷となってしまう事もあるのです。
ホルモンバランスの変化も産後クライシスの原因
しかし、イライラや不安もやはり女性ホルモンが関係しています。
妊娠、出産と赤ちゃんを守るため、女性の身体は大きなホルモンバランスの変化が起こるのです。
一番減少してしまうのが脳内神経物質をつくるセロトニンです。
自律神経がうまく動かず、イライラしたり涙もろくなったりと感情をコントロールするのが難しくなってしまいます。
また、赤ちゃんを守りたいという気持ちから、産後の女性は攻撃的になるとも言われています。
出産後はパートナーへの愛情がどんどん低下していくという現象は、女性によくある気持ちの変化とも言えます。
パートナーと2人で知って2人で考える
産後クライシスとは本当に怖い症状です。子供を授かる女性にとって避けられない道なのかもしれません。
しかし、産後クライシスという症状を夫婦で知っておくことで、きっと乗り越えられることができるでしょう。
出産、育児とは2人で助け合っていくもの。早めに産後クライシスについて話し合わなければ、最悪の場合は「産後はよくあることだから」では済まされない事態になってしまいます。