051006_2339~01.jpg 僕は今日も10時に起きて、出かける支度をした。大学は昼からだからゆっくりできる。新聞を読んで、ゆっくりと時間をかけて食事をした。

 -本を読もう。

 そう決めていた。大学の講義が終わってから、塾講師のバイトまで時間があったので、大学の図書館で読書をした。
 昨日読んでいた江國香織の「東京タワー」は、昨夜のうちに読み終わってしまった。最後まで、特に魅力がある文章だとは感じなかったけれど、全体的に「どろどろしていて軽い感じ」の雰囲気は好きだ。なんだかすごくリアリティがあるようで、ないような雰囲気。しかも、主人公たちの年齢が自分と同じ(19⇒20へ)というのもあり、やけに現実感を感じてしまった。この小説を読んで強く感じたことは、この主人公の年齢というのはとても「不完全」なそれだということだ。そのことを、僕はこの文章から強く感じた。それと同時に、自分も同じように「不完全」であると再認識した。
 恋愛というのは、19歳の少年を感傷的にし過ぎるのかもしれない。でも、もしかしたら、その感傷のおかげで、少年たちは大人になれるのかもしれない。

 去っていく時のあなたの微笑みの影、
 その影がわたしの夢から彩りを消す、
 あなたはわたしの愛しさのすべてだった、
 あなたの唇に触れたわたしの涙が今遠くに行ってしまったように、
 二人の願いの星は遠すぎたし、高すぎた、
 わたしはただ思い出の中にいる、
 あの、すべてがあった春の思い出の中に、
 あなたの微笑みの影の中にいる