監督:タナダユキ

脚本:向井康介

 

久々に映画館に戻ってきたのでレビューというか私的感想。

 

永野芽郁が主人公で奈緒が親友役。

死んだマリコ(奈緒)の遺骨を毒親から奪い、一緒に海を見にいくと言う話。

 

こんな簡単に書いちゃダメなんだろうけど、私は同じテーマで思うことがあり、そこは分かる、それは違う、みたいな感じで結構残念な感じだった。熱量みたいなのは頑張ってる。けど、やっぱり永野芽郁は可愛いし、タナダユキの感性はおっとりしてるし、なんか限界あるんだよなってのが正直な感想。

 

ハードボイルド的にしたかったのか、男勝り、みたいなことしたかったのか、勢いで駆け抜けていく感じ・感覚はめっちゃ理解できるのですが、できなかったね。可愛い顔で綺麗な声で、乱暴な言葉をいくら吐いても「やってんなー」って感じにしか感じられなかったのがすごく残念だった。そう思われたくないと言う気持ちが透けて見えるからこそ、残念だったなって思いました。

 

そして何より自分が個人的に残念だったのが、綺麗で安全な地帯での友達が死んだ話になっちゃった(しちゃった)んだ、と言うこと。台詞でも「綺麗な思い出しか思い出せなくなっちゃうよ」、とか書いてあんのに、綺麗な感じで物語まとめちゃダメだったんじゃないの?めんどくさいって思っていた感情があったのに、って部分とかすごく分かるけど、映画でそれできてないよって。台詞だけじゃんってなった。

 

全体的に台詞で語りすぎだし、芝居もどうしてか、女がやってるピーターパンの舞台見てるみたいな謎感覚に襲われたし、カメラワークも正直よくわからなかった。ナレーションもあまりマッチしてないし、独り言のシーンがあまりにも受け入れられなかった・・・。

 

ただ、パーツパーツでいいもの(というか共感できる、分かる、映画とリンクしてた)部分も少なからずあって、それは自分の中の映画とか記憶とリンクして泣いたりもしたんだけど、それを凌駕するダメポイントの多さで結果マイナスかなと。

出オチ感強めですが「反吐が出る」って叫んでるところがピークかな。幼少期のDVシーン観て泣いちゃうのはなんか違うアレだよね。笑

 

遺骨を道に置いたまま走っていっちゃうとか、線香花火の最中の台詞(途中奈緒の花火が早く落ちるのにそれに無反応とか)なんか色々気になった。それ、本当にそうなる?みたいな。会社の上司とのやりとりとかもちょっとデフォルメしすぎ(もしかしたら原作がそうなのかもですが・・・)なんか冷めてしまった。あと成人してからの奈緒の部屋の飾りで星の光るやつ(名前わからん)が飾ってあって、こういうMV・CMっぽい飾りやめようよってげんなりした。

 

人間の大事な部分、色々ぶっ飛ばしているように見えて、もっとちゃんと不器用でなくちゃいけなかったんじゃないの?って複雑な気持ちになりました。

 

なんか全体的に芝居がもったりしていて、乗り切れませんでした。