ギャスパーノエ監督

 

ダリオ・アルジェント、フランソワーズ・ルブラン

 

映画評論家の夫と、元精神科医の夫婦の話。

心臓に持病を抱える夫と、認知症の妻。

 

「いつも肉体の死よりも精神の死がやってくる」肉体と精神の死についての話。

 

いつもなら時間を自由自在に操り、可逆性・不可逆性を用いてノエなりの哲学を語るところなるべくそのままの時間を流すことで時の残酷さについて不条理についてを語っている。

 

とにかくフランソワーズ・ルブランの快演が必見。

少女にもなるし、女にもなる老婆は何を見ているのか。

ギアの入り方がとことん自然で驚愕する。

 

フレームの演出、最高にかっこいい。

 

 

 

脚本:渡辺あや

監督:大根仁

 

『エルピス-希望、あるいは災い-』(エルピス きぼう あるいはわざわい)は、2022年10月24日から12月26日までカンテレ制作・フジテレビ系列の「月曜夜10時枠の連続ドラマ」枠にて放送されたテレビドラマ。主演は長澤まさみ。

テレビ局を舞台に、エースの座から転落した女子アナウンサーが、彼女に共鳴した仲間たちと冤罪事件の真相究明をする中で、一度は失った「自分の価値」を取り戻していく姿が描かれる社会派エンターテインメント。

実在の複数の冤罪事件から着想を得たフィクションであることがドラマの冒頭で告知され、エンディングでは冤罪事件に関する9冊の書籍が「参考文献」としてクレジット表記された。

タイトルのエルピス(Elpis)とは、古代ギリシャ神話で様々な災厄が飛び出したとされる「パンドラの箱」に残された「希望」あるいは「災い」の兆候のことである。

 

 

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知人から勧められて見始めたドラマでしたが、なかなか面白かった。

脚本もそうですが、俳優陣も良かった。後半にかけて眞栄田さんとか、おお、いいなという感じで。

鈴木亮平の溢れんばかりの漢気はムンムンで毎回瀕死になりながら見てました。

長澤さんが知り合いにしか見えなくて戸惑いを隠せなかったです。

 

あとはニュース映像とかすごいですね。やはりテレビ局の強みか。

 

毎話ごとにどこか一つ刺さるセリフがあって、良かった。

「好きな女とうまいもん食いてえ」とか、「男が嫌味を言ってくるのは寂しいから」とか、「今の僕の友達は真実だけだ」

とか、好きでした。

 

最終話にかけて、ロミジュリばりのうまくいかない二人になってしまう長澤と鈴木。

熱い夜があったからあの邂逅はなんともいえないですね。

ドラマのラストとしてはどうなのかと少々疑問はありつつも最善の選択とはなんだったのか。

問題を先送りにして最善を待つことが良かったのか、私には少しわからなかった。

 

目の前にいる人間を信じることができるという喜びというのはとても良かった。

信じられない苦しみというのも理解。

 

長澤まさみが眞栄田さんの部屋で叫んでいた、当たり前に正しく思うことがどうしていけないのか(できない)という問題について、なかなか社会を通すと行動できない苦しみだとか、しがらみだとか、そんなものでがんじがらめになっている世界に向けての悲痛さが結構きた。

 

全体を通して冤罪事件を取り扱って日本社会の政治とマスメディアの癒着や問題についてだいぶ切り込んだ作品で、これをテレビでやったというのは純粋にすごいことだなと思いました。

 

まあ、でも一番グッときたのはなんだかんだ言って、

確かめなきゃいけいないことがあるのに、この人のことを好きになりすぎてしまった。

というまさみの語りでした。もう最高に刺さった。

 

良かった。

 

 

 

 

 

 

 

監督:ガブリエレ・ムッチーノ

 

1982年から2022年を舞台に、時代の波に翻弄されながら出会いと別れを繰り返す男女の愛の行方を、

「幸せのちから」のガブリエレ・ムッチーノ監督が描いたイタリア映画。

1982年。ローマで暮らす16歳の少女ジェンマは同級生の少年パオロと恋に落ち、彼の親友ジュリオやリッカルドとともに青春を謳歌していた。しかしジェンマは母を亡くし、ナポリで暮らす伯母のもとへ引き取られることに。1989年。それぞれ教師、俳優、弁護士として社会に出た3人の男たちはジェンマと再会するが、彼女はまるで別人のように変わってしまっていた。

出演は「シチリアーノ 裏切りの美学」のピエルフランチェスコ・ファビーノ、「盗まれたカラヴァッジョ」のミカエラ・ラマゾッティ。「ライフ・イズ・ビューティフル」のニコラ・ピオバーニが音楽を手がけた。

 

 

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今年の映画初めはこれでした。

なんとなくあらすじで大人な王道ラブロマンス映画を期待していたのですが、ちょっと違った。

 

辛いんだけど、どこか陽気な雰囲気が漂っていてどこまでも軽やか。

話のテンポが凄まじく速いのでなかなか感情移入はしないタイプのやつ。

 

それでいてあえて美談にしないビターさが好感。

そうよね、思い出ってそんなに綺麗なもんじゃないわよねと。

結構登場人物がだらしなくてどうしようもない感じな人が多く出てくるのですが、まあ、人生ってそんなもんよねとなかなか辛辣。でも物事って大きな目で見たら小さな別れなんて大したことなくてさ、という大きな話の映画でした。

 

なんとなく、視界が開けるようなそんな映画でした。

時間は偉大なり。