先日 、父の四十九日が過ぎた。過ぎたと言うのは、私は参加しなかったからだ。距離的な問題と感染症の関係で見送った。
1日を子ども達と過ごしながら、端々に父を想った。ただ、日常は日常として忙しなく、感傷に浸るようなことはなかった。
通夜の日、棺の中の父の顔に触れながら「さようなら」と言った。まだ、返事でもしそうな気がした。
葬儀の日、父の頬に触れ「さようなら」と言った。噛みついたりしないだろうかと思いながら。
故郷を離れ、今の暮らしに戻ってからも折りに触れ、「父さんさようなら」と言ってみた。返事をしないなぁと思っていた。
四十九日の後、「父さん、さようなら」と呟いた。全てわかった。もう返事は無いのだなと。父がもう居ないと知った。