第9コースは、地形的に距離的に時間的にも、
平和なコースだな、と思うことができました。

コースだけが平和であって、レース的には、終盤戦で、平和でも何でもなかったですが。
セミファイナルです。
喘ぎ喘ぎの、歩行です。

どこかの休憩ポイントで、一番早くゴールした人の話を耳にしました。
夜中の0時だか、1時だか、と聞いています。
レース展開の想像もつかない世界です。

この第9コースをAさん達と出発したのは、朝9時くらいでしょうか?
トップランナーは、とっくのトウにゴールしているでしょうけど、ほかの選手も、次々とゴールしているに違いありません。

で、思い浮かべるのが、先を行ったWさんたちの消息です。
第8コースの途中ではぐれ、やっとの思いで辿り着いたものの、そこにも彼らの姿はみじんもなく‥。

はぐれたのは、出発して4キロ地点先です。
彼らは1度も振り返りませんでした。
時間的にはもちろんその脇目のふらなささから考えて、
待っててもらえずに、スタートされてもおかしくはありませんが、スタートする気力、体力がまだ旺盛だったのでしょうか?

1度も振り返らなかったのは、逆に、余裕がないともとれます。
自分もそうですが、これくらいの鉄人レースになると、わずかな動作も慎重になり、自分以外のことに構っていられなくなります。
後ろを振り返るのが、実は命取りにならないとも限らない。
Wさんは結構、夜中になる前も、後ろを振り返って、他の選手がいるかいないか、どれくらい遅れて、あるいは進んでいるのか確認する人でした。
そのうち、「後ろを見るのも結構疲れるわよね」
なんて言うこともありました。

そして、歩きながら、また想像の虫が湧いてきました。
もし、Tさんがいなかったら、あそこまで薄情にならなかったのではないか?
少なくとも、振り返ったり、立ち止まったりはしたんではないかと。
二人は猛烈?に気が合って、共同体ということもあり、夜中のWさんは、よく疲れないな、というくらい男性のTさんと喋っていました。
むしろ2人が喋るから、自分は必要以上に場を持たなくていいから、ラクでした。
Tさんはクセがなく、登山の話もできるので、Wさんに好かれて当然ですが、もしかして、夜中から、自分の存在は、彼女にとってあらゆる意味で足手まといだったのでは、被害妄想が頭をもたげてきました。

こちらが途中、出遅れたのも、幸いだと思われたか?

二人旅になった以上、こちらが考えてるほど、自分の存在は大きくなくチリ同然なのだ、と諦めの境地に達しました。
そうやっている間にも、増す増す差は開いているのだろうと。
そろそろ最終ポイントを出ているかもしれない。

自分の歩行速度が落ちたのを自覚したのは、前回コースの海岸線で雨風にやられた後、数人以上の人に抜かされた時です。
アリの歩みにも等しかった。🐜

先を行った2人を恨んだくせに、まさか自分が新しいパートナーを裏切るとは‥

半分以上、歩いたところで、なんとBさんが遅れだしたのです。

つづく