- ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する/東洋経済新報社
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面白そうだったので。完全にタイトル買い。古本で。
経済学者スティーヴン・レヴィットとノンフィクション作家J・ダヴナーの共著。
経済学の本という割には経済についての話はほとんど出てこない。
著者も経済学というのは"方法の集まり"に過ぎないので何を扱ってもよいのだと言い切っている。
難しい統計の計算なども出てこない。
そもそもそういうことを主眼にしていないから。
ではどんな話かというと。
カバーを見ると青いリンゴ。
しかし切られた部分を見ると中身はオレンジ。
これがこの本を見事に表現している。
「経済学は世の中が実際にはどうなっているのかを表す」
つまり、我々が見て感じているいるものやことは、実際にはまったく別のものだったりする。
あるいは見た目と中身はまったく違ったものかもしれないということ。
それを経済学の方法を使って明らかにしようと。
それがこの本。
だから難しいデータ処理などは一切出てこないので安心して読める。
「ニューヨークで犯罪が劇的に減少した理由」が何とも衝撃的。
なるほど、生まれてこなかった子どもたちが犯罪を起こさなかったからなんて信じたくないもんね。そして、ブロークンウィンドウ理論を信じたいもんね!
人は真実だから、正しいから信じるのではなく、信じたいことを信じる。
その典型だな。
他にも
相撲の八百長や教師による試験の不正、など、インセンティブ(誘因)によって動く人間社会の実際を生々しく垣間見させてくれる。目からウロコがポロポロ落ちていく話ばかりで知的興奮が味わえること間違いなし。
当たり前だと思っている世の中の通念がいかにいい加減なものなのかを痛烈に風刺した本作。
すっごく面白かった。
追記
著者は膨大なデータを集めて解析して我々が気付かなかった相関関係などを導き出しているが、このことには怖さも感じた。
ある相関関係を見つけた人物なり、企業なりがその相関関係を悪用して我々を知らない間にコントロールする可能性も無いではない。「こういう行動をする人間はこれを買う可能性が高い」というマーケティングは実際に行われているわけだし。
しかも、実はもうビッグデータを活用して広まっているんじゃないのか?
自由意志で買った「物」が実は巧妙に誘導されていたなんて・・・。怖いな。