納音(なっちん)は昔の中国の占いらしい。「天河水(てんがすい)」も納音の一つで天からの恵みの水という意味もある。

干支は60通りあるが納音は30通りあって、干支は毎日、納音は2日に一つずつ先に進み、干支も納音も60日、60年で一周する。

納音が今も伝わっているのはきっと井泉水と山頭火のお蔭ではないか?と思う。荻原井泉水と種田山頭火、自由律俳句の師弟である。

高浜虚子と争い新基軸を次々と起こした河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)がたどり着いた新基軸を井泉水は推し進めた。井泉水は山頭火と尾崎放哉を育てて文学史に自由律俳句の名を残した。

井泉水の号は納音から取った。井泉水の生まれ年から。山頭火はその音を気にいって号としたらしい。この二人の名が文学史にあるかぎり納音に興味を持つ人はきっと居続ける。(天河水)