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介護離職と介護うつ

 

『こんにちは
(^-^)/ ロングライフの桜井ひろみです。



 以前に、このブログで認知症をテーマにした映画「わが母の記」を観た感想を書きましたが、今回は、「わたしの人生<みち> 我が命のタンゴ」について。同じく認知症の高齢者とその家族をテーマとした映画です。



 「わたしの人生<みち>
我が命のタンゴ」は、現在上映中の映画です。監督・原案は、老年精神医学、精神分析学、集団療法学を専門とする精神科医の和田秀樹さんです。



認知症の地域医療で知られる川崎幸クリニックで20年以上にわたって老年医療の経験を積まれ、長年高齢者の臨場に携わるスペシャリストです。専門家の立場から「介護離職」をはじめとする介護社会の問題を浮き彫りにし、これからの介護のあり方を描いていました。



物語は、母の葬儀を終えて、家族がそれぞれに忙しい生活に戻りかけていた矢先、橋爪功さん演じる父が公園で警察官を撲ってしまい保護される。厳格な父がなぜ・・・?不審に感じた秋吉久美子さん演じる長女は、父を検査のために病院へ。そこで既に認知症を患っていた事実と向き合うことになるのです。



和田監督は、雑誌PHPのインタビューで映画について語っていらっしゃいました。今回の作品のもう一つのテーマは、「介護離職」と「介護うつ」です。自宅で親の介護をするために、これまで勤めていた会社を辞めざるをえない。介護のために離職をするのは女性が多いのですが、その中には男性も二割近くいるというのが驚きです。



現場の状況などを見ていると、親の介護に真剣になりすぎるのは、男性のほうが多い。きっちりとしすぎて手を抜く術を知らない。そのあげくにうつ状態になってしまう。しっかりと親を見送ったとしても、もぬけの殻のようになってしまう。これではそれからの人生が台無しです。



育ててくれた両親を献身的に介護する。その姿は感動を呼びますが、家族が心身ともに疲弊していく現場を熟知している医師としては、多少の違和感を感じていました。そこで今回の作品では、もう少し現実的な視点から創りたいと考えたのです。一言で言うなら、家族で介護するのではなく、施設に入れるという選択肢を提示することでした。
とありました。



 映画の中では、長女が子育てを終え、長年の夢である大学教授への道を歩み出した時に直面する親の介護。しだいに父の介護と仕事の両立に、心身共に追い詰められて行く様子が描かれています。そして、苦悩しながら退職を決意するのです。



 日本では、既に50万人以上の人々が介護を理由に離職に追い込まれているそうです。この現状の解決策としても、私達のようなホームが、「最もその人らしくいられる場所」であり、「最終のご自宅」として躊躇なく選択していただけるよう、老人ホームに対する世の中の価値観を変えて行くきっかけをつくる工夫と努力が必要であると、今回改めて強く強く感じますした。



興味のある方は、ぜひ映画館でご覧になっては如何でしょうか…。』


映画「わたしの人生<みち我が命のタンゴ」