読了!

SNSで本書のタイトルをよく見かけ、「チョンキンマンション(重慶大厦)」の部分に強く惹きつけられた。

 

脳裏には、香港映画『恋する惑星(重慶森林)』が浮かび、フェイ・ウォン(王菲)の歌う『夢中人』が流れた。

もちろん、重慶大厦付近のネイザンロード(彌敦道)の様子も。

とは言え、私が香港を好んで旅行していたのは中国返還前で、返還後は1度しか行っていない。

もう、全く変わっただろうなあ・・・。

 

本書の「チョンキンマンションのボス」とは、香港人ではなく、タンザニア人の中古車ディーラーであるカラマである。

 

本書には香港人はほとんど登場せず、カラマ氏が中古車を買い付けるシーンで登場するのもパキスタン系の中古車販売業者であった。

 

本書は、文化人類学者でアフリカ研究が専門の学者である小川さやか氏が、チョンキンマンションのボス・カラマ氏との交流を経て、「香港に居住するタンザニア人たちの半生、ICTや電子マネーを駆使した交易のしくみ、タンザニア香港組合や日々の相互支援を通じたセーフティネットの構築、母国で展開する事業や人生設計などについて(本書、「最終章」から引用)」書かれたものである。

 

印象が深かったのは、「タンザニア香港組合」の活動で、メンバーが逝去した際の遺体の運搬についての取り組みだった。

 

香港からタンザニアまでの運送費用の寄付集め、タンザニアでの通夜・葬儀での食事の手配、遺体の航空貨物としての輸送手続き、タンザニア国内での軽トラでの移動、埋葬、儀式、参列客への食事の提供まで、アジア諸国とアフリカ諸国を行き来する人たちによる連係プレーで行われていたのである。

 

タンザニア人たちの、このような助け合いは「ついで」で回っているようだ。

うーむ、なるほどねえ。

 

本書は、区立図書館で借りた。

初版が2019年7月30日で、私の借りた本は2020年8月5日の第9刷!

そして、「第51回大宅壮一ノンフィクション賞」、「第8回河合隼雄学芸賞」の受賞作品なのであった。

 

様々な具体的なケースが紹介されており、「なるほど」と唸りつつ割と時間をかけて読んだ。

久々に「勉強」したような気がする。

 

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色々美味しいものも食べている。

 

「デパ地下」をうろうろして、「本日で最後!」という声に引き寄せられるように行くと、中津川の「松月堂」というお菓子屋さんのポップアップショップであった。

 

 

栗きんとん

 

 

抹茶碗は矢島操氏の「あめ釉銀彩はりつけ碗」。

矢島氏によるとこのタイプの抹茶碗は初めて、とのこと。

ほう・・・。

菓子皿は高橋朋子氏の「銀彩蓮皿」。このお皿は何にでもよく合う!

 

今シーズン、まだ「仁太郎」のも「すや」のも食べていない・・・焦る(?!)

 

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南青山をふら~と地下鉄の駅まで歩いていると、人がお店の前に並んでいる!

これは・・・と近寄ると「HIGASHIYA man」とある。

お、おっ!

 

 

和菓子屋さんの「ヒガシヤ ギンザ」のおまんじゅう屋さん。

おまんじゅう、美味しかった~。

お店の方に「みたらし」も人気があるんですよ、と紹介されたので・・・。

 

 

うむ。こちらも美味しかった。

 

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こちらは、本日食べたもの。

 

 

亀屋清永さんの「野路の秋」という村雨と栗入り羊羹で二層になっている羊羹である!「紅葉、見に行きたい」と思いつつ楽しんだ。

大きな栗が入っていて大変満足。