読了。

図書館で予約し、暫く待って、ようやく手にできたというのにぐずぐずと読んでおらず、「返却期限のお知らせメール」が来て、焦って読んだ。

 

灰の劇場  (著)恩田陸

 

小説家である「私」が「女性2人が奥多摩の橋から飛び降り自殺をした」という新聞記事から小説を書くに至る物語、そして、その小説の舞台化についての物語と、

橋から飛び降りた女性2人が語り手の物語、

この3つが交錯して書かれている。

 

時系列もばらばらに配されているため、最初は慣れなかったが、

主人公の小説家が語る雑感に、同年代である私は、じんわりと共感でき、描かれている物事に馴染みがあるので、ぐんぐん読み進めることができた。

恩田氏の描く「魔」のようなものも魅力的だった。

 

身投げをした女性2人は、大学時代の同級で友人、2人で暮らしている。

一人は新卒で就職した会社に正社員として長く勤め、もう一人は産業翻訳者として売れっ子のようである。

2人とも経済的にはそんなに困っていないのではないかと思うが・・・。

又、コツコツ備えておけば将来への心配もないのではないか?

身投げをするほどの絶望って・・・と思った。

なんとなく、衝動的な感情だったのだろうか。

分かるようで分からないが、そういうこともあるかも知れないとも思った。

 

私はどうだろうと考えると、

例えば、週末にデパ地下で「すや」の栗きんとんを買おうと思って行ったら、すでに売り切れのようで、いつも置いてあるところに姿も形もなく、大変悔しかった。

よし、次は平日の早い時間に来て買うぞ!

と、それを楽しみに過ごしたりできる非常に単純な思考をしているので、案外、生きることに対してタフなのかもしれない。

 

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デパ地下で「すや」の栗きんとんは買えなかったが、名古屋の「美濃忠」という和菓子屋さんの「栗むし羊羹」に出会った!

 

 

美濃忠さんのWebサイトに「素材にこだわった栗をふんだんに使用した蒸し羊羹と、黒砂糖を加えた和風カステラ生地」とあった。

この「和風カステラ生地」がふんわりと、まるで蒸しパンのような軽さ。

栗のゴロゴロ感もたまらない!

 

お皿は土曜日にルーサイトギャラリーで求めた高橋朋子氏のもの

巻き貝のようなデザインで、見る角度や光の具合で表情が変わる素敵なお皿である。

 

 

お茶碗も同じく土曜日に求めたものである。

大変、気に入り、暫くこればかり使うような気がする。