読了。

雑誌「和楽」は好きである。

写真がとても綺麗で、文章も分かりやすいと思う。

特集はじっくり読み、眺めるものの、その他はあまりしっかりと読んでいないような気がする。

せっかくの「STAY HOME週間」。PRページまで全てをじっくり読んだ。

 

 

2018年6・7月号の「大特集」は、「宗達!光琳!抱一!其一! 日本美術史に燦然と輝く名作を大研究!琳派って楽しい!」である。

 

琳派についての説明は、「十問十答」スタイルで分かりやすく、作品の写真も大きく、綺麗。

 

狩野派VS琳派VS若冲」として、構図、モチーフなどなど5つの観点からの比較も面白かった。鑑賞の楽しみかたの一つとして覚えておこうと思う。

 

又、「琳派の系譜」として、琳派の流れを汲む神坂雪佳について「その画風は海外からも注目され、2001年にはフランスのエルメス社が発行する雑誌の表紙を、日本人として初めて飾りました」とある。

びっくり!どんな絵だったのか気になる。雪佳というと、可愛い犬のイメージ(『百々世草/狗児』のような)。

 

日本人は金をどう描いてきたのか?大研究

琳派のようにふんだんに金を使った絵画が盛んに描かれたのは世界から見ると珍しいとのこと。まあ・・・そうか。ふとクリムトの作品が頭に浮かんだが、背景がオール金というのは無いかもしれない。

 

金の使用の歴史とともに東大寺の大仏や中尊寺金色堂、金閣寺が紹介され、「金碧画の黄金伝説はこの屏風から始まった」と狩野永徳の『洛中洛外図屏風 上杉本』。

なるほどなるほど、とページをめくると、

江戸時代の作品とは思えない宗達の傑作」と、俵屋宗達の『槇檜図』がどどっと掲載されており、金地屏風で、槇と檜が墨で描かれているように見えるが、キャプションによると藍を混ぜた墨も使われているようだ。うーむ。これは実物が見てみたい。石川県立美術館所蔵である。

 

この号は、永久保存版だと思った。

 

特集だけではない。連載も豪華。

昨年2月に亡くなったドナルド・キーン氏のエッセイ「鬼怒鳴門亭日乗」、この号では「愛される日本料理」というタイトルで、日本料理の思い出が書かれてあり、又、日常のお写真も掲載されており、当時はお元気だったのかと思うと、何だか・・・しんみりとする。