東京国立近代美術館に行ってきた。

 

44年間所在不明だった『築地明石町』の公開で注目の「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」を鑑賞。

 

 

11月30日の「新美の巨人たち」、12月1日の「日曜美術館アートシーン」で紹介されていたので混雑しているのでは・・・と思っていたが、12月2日は月曜日、通常なら休館日のところ「大嘗宮一般公開」に合わせて開館、そして冷たい雨ということで、人はさほど多くなく、ゆったりと鑑賞できた。

 

 

展覧会のパンフレット、大きい!

 

 

新美の巨人たち」で主任研究員の方が「昨日とか、一昨日とか、そんな最近に描いたように見える」ほどキレイな作品で驚いたと語っていらしたが、まさにそんな感じ。

本当に色が美しい。

 

築地明石町』は、本展覧会のポスターに使われている。

 

 

美の巨人たち」で女優の酒井美紀さんがこの絵の女性の髪型、着こなしを体験していた。

 

作品の女性の襟元がスカスカしていると思っていたら、これは「素袷」といって中に襦袢を着ない着方。

明治時代に流行した着こなしだそうだ。

番組で、酒井さんが「スースーして落ち着かない」と言っていらした。

襦袢を着ないと着物が汚れないだろうか。特に襟。

 

羽織の丈もスカート丈と同様流行があり、当時、この「長羽織」が流行していたとのこと。確かに長い。

実は、絵を見るまで、「道行コート」を着ているのかと思っていた・・・。羽織なのね。

 

髪型は、「イギリス巻」といって、三つ編みを3つ作ってクルクルと纏めて作る。

明治時代半ば頃から流行していたそうだ。なかなか凝った髪型。

 

羽織を着ているのに(足袋を履かずに)素足、結婚指輪のようなシンプルな指輪をはめているなど、

明治時代ってそんな感じだったのか・・・と。

 

同じく展示されていた『明治風俗十二ヶ月』も当時の人々の様子が詳しく描かれていて興味深い。

6月の『金魚屋』では、女学生は袴を穿き、少年は水兵さんのようなセーラー服。

10月の『長夜』で火鉢で何かを炙っている。お茶を焙じているとか?・・・

 

又、「新美の巨人たち」では『築地明石町』の女性の顔部分を模写制作していた。

木の枠に絹を張ったものを下絵の上にかぶせ、筆でなぞる。

 

伊藤小坡展で、何度も書き直され、一部に紙が貼られて直されていた下絵が展示されており、この下絵をどう活用するのだろう、習字のように横に置いて見ながら描いていくのだろうか・・などと考えていたが(無知ですね・・・)、やっと分かった。

 

又、油絵が何度も色を重ねて制作するのに対して、日本画は「一発勝負」なのかと思っていたが、何度も色を塗り重ねることで色を出していくことも初めて知った。

 

いやあ、何も知らないままに日本画を見ていたのだ。

 

長くなったので、続く。