昨日、山種美術館に行ってきた。

 

 

「上村松園 -美人画の精華-」を鑑賞。

 

 

ポスターのこちらの作品「蛍」は、美術館に入って最初に展示してあった。つまり、この作品が「イチ押し」ということらしい。

 

輪郭が赤で取ってあり、これは大正時代に流行っていた描き方だったそう。赤で輪郭を取ることにより、血色がよく見えたり色々な効果がある。松園の比較的若いときの作品。

描かれている人物も何となく幼い感じがするが、全体的に瑞々しいというか、フレッシュというか、可愛いというか、素敵な作品だった。

 

今回もギャラリートークに参加。整理券は9:50から配布で、前回、美術館ロビーは9:30には入れるという情報を得ていたので、整理券配布前に到着するようにした。が、割とのんびりした雰囲気で、開始直前でも参加できた感じだった。(これも回数を重ねると混み合うらしい)

 

 

☆ ギャラリートークでのメモ ☆

 

・日本画家は絵が完成したら表装は専門家に任せるのが一般的らしいが、上村松園は表装にもこだわり、「春芳」の一文字には辻が花の着物の端切れが使われている。

又、松園の依頼で表装用に織られた布地も。このあたりのエピソードも大変興味深かった。

 

確かに、展示されている作品の表装は、どれも女性らしい模様の布が使われており目を惹く。この表装も日本画鑑賞の醍醐味だ。

 

・松園の美人画の「キモ」は、眉、らしい。最後に描いていたようだ。ほう・・・。

 

・展示室の照明をLEDに変え、金の表現などより美しく見えるようになったので、図録やウェブ上での画像では鑑賞できない美しさが楽しめるとのこと。例えば、胡紛の盛り上がりなども。

 

・月岡芳年の「風俗三十二相」の「にくらしさう 安政年間名古屋嬢の風俗」は、裕福な若い女性が描かれており、安政年間でも現代でも「名古屋嬢」。そしてお嬢様といえば名古屋嬢。なるほどー。

 

・鏑木清方の「伽羅」に描かれている伽羅枕は、引き出しが付いておりその中に香木を入れていたらしい。ほ-。

今でも枕にアロマオイルを1滴落とす、とかアロマスプレーをかける、という安眠方法があるな、と思った。

 

・松岡映丘の「斎宮の女御」。とても魅力的な作品だった。

なんと民俗学者の柳田國男の弟。「松岡五兄弟」という言葉で紹介されていた。

 

・私の好きな、三重県出身の女流画家・伊藤小坡の「虫売り」が展示されていた!

この「虫売り」のモチーフは人気があったようで何パターンかあるらしい。五島美術館でも展示されていたことを思い出す。

 

今回の写真撮影可の作品は、これ。

 

 

展覧会名:上村松園-美人画の精華-展  作家名:上村松園  作品名:砧

所蔵者名:山種美術館

 

世阿弥の能の一場面が描かれている。大まかな物語も教えていただいた。

蝋燭の炎の様子、人物の着物に落ち葉の模様が描かれていることなどから季節が分かる。

 

このギャラリートーク、本当に楽しいし勉強になるので、又、参加したい。

 

鑑賞の後は、お楽しみのカフェである。

 

 

展覧会のオリジナル和菓子「双鶴」と今月のお茶のセット。

 

 

上村松園の「折鶴」をイメージした、羊羹入り泡雪かんである。

 

 

泡雪かんというとモッチリのイメージだがこれは割とサッパリ美味しく頂いた。

 

そして、ミュージアムショップも大変魅力的なのであった。

 

 

私は風呂敷が好きで、トレーニング室や美姿勢トーニングのレッスンのウエア、旅行時の着替えなどは風呂敷に包んでバッグに入れる。

手持ちの風呂敷が大変傷んできたので、良いのがないかと探していて、こちらのショップで発見!

 

風呂敷の上に置いてある緑色のものは・・・・

 

 

「とんぼ玉」。ショップではこれをお香立てとして使っていた。私も手持ちのお香を立ててみたい。