図書館に行くと、「茶道」のコーナーを見るのが習慣になった。

森下典子さんと言えば、朝日新聞の「デキゴトロジー」、「典奴」シリーズで、何だか「体当たり取材」的なイメージがあるが、茶道をされていたのだ。ちょっとビックリ。

 

日日是好日  (著)森下典子

 

本書のまえがきに、お茶を習い出す前は、

 

季節は、「暑い季節」と「冷たい季節」の二種類しかなかった。

 

しかし、その後は、

 

「春夏秋冬」の四季は、ふるい暦では、二十四に分かれている。けれど、私にとってみれば実際は、お茶に通う毎週毎回がちがう季節だった。

 

とある。(太字は本書からの引用)

 

お茶の世界は、そうかも知れないなあ。器、道具、着物、そして室礼まで全て季節を意識して準備する。何だかとっても贅沢だ。

 

本書に登場するお菓子が巻頭にカラー写真で紹介されていた。

 

初かつを(名古屋「美濃忠」)

ゆずまんじゅう(日本橋「長門」)

落葉(神田「さゝま」)

越乃雪(長岡「大和屋」)

千代菊(赤坂「塩野」)

 

そして、今の季節ぴったりな、あじさい(横浜「桔梗屋」)。

 

どの御菓子屋さんも有名店。これらを著者のお茶の先生は、お稽古にさらっと用意される。

 

そうそう、「まえがき」で、この先生は「武田のおばさん」として紹介されている。

 

著者の母親が「あの人は、タダモノじゃないわよ」、「一人だけ、おじぎがちがうのよ」、「あんなきれいなおじぎ見たことない」と話し、

 

著者は、「武田のおばさん」は何となく、身ぎれいな雰囲気を持っていた。すごい美人というわけでもないし、アクセサリー一つ付けたところを見たこともないが、何となくきれいだった。

 

と感じ、さらに、

 

中年女が集団になった時に発するキンキンした甲高い声で話すことがなかったし、おばさん特有の何かを押し隠したような曖昧な微笑を浮かべることもなかった。ほんわかとした優しそうな雰囲気に不似合いなパキパキとしたハマっ子言葉を話す。

 

まわりとのお付き合いはちゃんとするけど、ベタベタ連なって行動するのは嫌いらしく、用事がすむと、「それでは、お先に失礼します」とさっさと群れから離れる人だった。

 

おお、こういう方に憧れるなあ、と読み進めていくと、著者の母親が、

 

「あの人『茶人』だからね」

 

と著者に語る。

 

「やっぱり、どこかちがうもの。私は一目見て、この人はタダモノじゃないとピンと来た」

 

うむ。こういう人、本当に憧れるなあ・・・。

 

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ついに、茶籠を手に入れた!

 

 

とりあえず、茶籠に入る小ぶりのお茶碗と茶碗袋、茶筅のみを購入。

 

 

この茶碗袋は売り場の方のアドバイスで個性的な絵柄を選んだ。

お茶碗、実は2つ購入。可愛い!

 

 

左は親指姫。右は金太郎が描かれている。三原嘉子さんという方の作品。

売り場の方が、「新しく入ったばかりで沢山あるんですよ~」とザクザク奥から運んできてくださって、「一つ一つ違いますからね」と、じっくり選ばせてもらった。幸せ。

 

というわけで、購入した茶碗袋を参考に久々に裁縫をした。

 

 

作りが今ひとつだったので、お茶碗を包んだところを撮影。(こういう小物の作成は難しい。最近は細やかな作業はしていないので更に・・・。)

 

 

手持ちのダンガリー生地とギンガムチェック(茶籠のリボンの色に合わせたつもり)のリバーシブル仕様。

茶筅は、こちらの茶籠に合った大きさで、普通の茶筅より小ぶり。

 

これから、茶器とか茶杓とかじわじわ揃えていくつもりである。

何を買おうか考えている時は大変幸せだが、働かないと・・・。宝くじでも買おうかしら。