絲山秋子ならこの十冊だ!」の十冊を読破しようとしている。

だんだん近づいてきた。

 

袋小路の男  (著)絲山秋子

袋小路の男 袋小路の男
 
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さて、本書は3編の短編で構成されており、タイトルの「袋小路の男」は川端康成文学賞受賞作である。その他「小田切孝の言い分」、「アーリオ・オーリオ」の2編。

 

「あなた」と二人称で語られる主人公と、その片想いの相手「小田切」との高校時代から12年後までの物語。著者が1966年生まれで、主人公は恐らく著者と同年代。登場人物がやたら煙草を吸う。高校生の頃から。

 

現代の高校生の喫煙は減っているのではないか。30年前と比べてかなり高価なものになっている。高校生でスパスパ吸える値段ではない。又、スパスパ吸える場所も少なくなっている。

 

こういう大人っぽい高校生も現代ではお目にかかれないのではないかとも思う。何だか懐かしさも感じながら読んだ。

 

「袋小路の男」の登場人物が、三人称で語られる物語が「小田切孝の言い分」である。

こちらを読んで、「袋小路の男」について理解が深まった。なーるーほーど・・・。男女関係も色々ある。

 

そして、最後は「アーリオ・オーリオ」という伯父と姪の物語。

プラネタリウムを2人で見に行った事から仲良くなり、文通が始まる。特に大きな事件もないが、ぐいぐい読み進めたくなる物語だった。

 

主人公・哲が、何となーく「妻の超然」に収録されていた「下戸の超然」の主人公と似た部分があるような理系男子だった。他人に自分の中に入ってこられたくないようなタイプ。

 

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これで、あと「イッツ・オンリー・トーク」、「ばかもの」、「不愉快な本の続編」の3冊である!

近所の図書館にはなさそうな感じなので、予約しなければ・・・。