論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

論愚阿来無の欠伸日誌(ろんぐあらいぶのあくびにっし)

「小人閑居して不善を為す」日々大欠伸をしながら、暇を持て余している。どんな「不善」ができるのか、どんな「不善」を思いつくのか、少し楽しみでもある。

 アラコキ(アラウンド古稀)世代が、何に夢中になり、どんなことに違和感を覚えるのかを徒然に綴っていきたい。

勝手に論愚選
【産経俳壇2026.06.18】
[宮坂 静生 選]
花樗(おうち)言葉にならぬとき涙 (山梨市 石田 初江)
兜虫ピンと糸張りトミカ引く (草津市 あびこたろう)
金雀児(えにしだ)は海の彼方へ向きて咲く (川崎市 黒澤 仁史)
ぼろぼろな駝鳥を思ふ梅雨入りかな (寝屋川市 今西 冨幸)
久闊(きゅうかつ)を詫びて朝採り淡竹の子 (羽曳野市 岡田 猛)
花は葉に少女はカラーコンタクト (川越市 髙瀨 チエ子)
妻と子にすがる晩年夜鷹鳴く (志木市 谷村 康志)
晩年なき友の無念や沙羅の花 (神戸市 今井 義和)
あふぎみる千羽鶴めく藤の房 (河内長野市 平野 彰一)
除染田に悠然として田植かな (郡山市 寺田 秀雄)

[対馬 康子 選]
アルゴリズムにそっぽ向かれて緑雨 (宇都宮市 大渕 久幸)
あを馬の草食(は)む舌や風光る (橿原市 佐藤 雅之)
蜘蛛の井の真中に去年(こぞ)の恋ひとつ (浦安市 岡 研一)
春の夜に失う乳房と聴く輪舞曲(ロンド) (大阪市 窪 緋労子)
竜天に登り高天原(たかまがはら)荒るる (伊賀市 菅山 勇二)
父の血のわれに流れる鉄線花 (宇陀市 泉尾 武則)
春しぐれ句読点なき我が人生 (小金井市 清水 澄子)
あちこちにコンニャク芽出す放棄畑 (東京・中央 根岸 利衛)

【産経テーマ川柳】テーマ 老人
長生きは望んでないけどすぐ医者へ (大阪市 浜下 栄子)
おばあちゃん他人が言うと腹が立つ (東京・豊島 齋藤 エミ子)
飲む打つは薬と注射買うは墓 (大阪市 吉村 敏明)
耳遠くなりてトイレが近くなり (日立市 木村 忠一)
勝手に論愚選
【毎日俳壇2026.06.16】
[小川 軽舟 選]
軒下を貸せとしつこき蜂のをり (瑞浪市 岩島 宗則)
花は葉にパラパラ漫画をめくるごと (新潟市 鍋谷 彰子)
新茶汲む萬古(ばんこ)の湯呑み古びたり (埼玉 正野 昭信)
桜蕊(しべ)降るアルバイト不採用 (東京 茂田野マイ子)
命日は葉桜の頃風の墓 (東京 西口 美砂子)

[西村 和子 選]
家裁出てバサリと開く日傘かな (川越市 益子 さとし)
篝火(かがりび)に浮かぶ鵜匠(うしょう)の鬚白し (津市 渡邊 健冶)
女にも無頼の血あり初鰹 (西尾市 金子 恵美)
活けられてそつぽ向きたる百合の花 (横浜市 菅沼 葉二)

[井上 康明 選]
薫風や仔豚ピンクに産まれ出づ (川越市 大野 宥之介)
万緑の胎内にゐる湯浴みかな (真岡市 下和田真知子)

[片山 由美子 選]
青蔦やフランス窓の司祭館 (東京 徳原 伸吉)
砂浜に人影のなき半夏生(はんげしょう) (相模原市 はやし 央)
舞殿へ昇るきざはし夏落葉 (長浜市 中嶋 正則)
みづいろに水すくはれて桜桃忌 (東京・東京 山野 ゆかり)
勝手に論愚選
【読売俳壇2026.06.16】
[高野 ムツオ 選]
使わない世界を信じ武具飾る (長浜市 鹿達 熊夜)
この星に地政学あり半夏生(はんげしょう) (横浜市 鈴木 基之)
縄文の音色や確(しか)と草の笛 (青森市 天童 光宏)
田に水を張つて越後の国となる (埼玉県 小町 澪)
代(しろ)かきの音ぞ実りの底力 (桐生市 本間 久夫)

[正木 ゆう子 選]
髪洗ふ意地張ることもいまは無く (神戸市 音羽 和俊)
草刈つて四角に戻る畑かな (茨城県 杉山 満)
臍の緒を伝はる祭太鼓かな (村上市 鈴木 正芳)
植えし田を眺め尽くして農夫去る (旭市 斎藤 功)

[小澤 實 選]
猫が尾を挙げ山楝蛇(やまかがし)咥(くわ)へ来る (町田市 谷川 治)
一車両遠足のせてやかましき (生駒市 国包 澄子)

[津川 絵理子 選]
大学の静けさにあり夏木立 (東京都 松永 京子)
フランスの皿に載せたる苺かな (合図若松市 佐藤 秀子)
ふる里の麦に呼ばれてバスに乗る (行田市 吉田 春代)
AIに教はりもして薬狩 (宝塚市 広田 祝世)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.06.13】
[横澤 放川 選]
表から裏へ抜く風柏餅 (枚方 秋岡 実)
AIを見張るAI亀鳴けり (国分寺 野々村 澄夫)
(評)想像季題と呼ばれるものはしばしば人間の怨嗟嗟歎(えんささたん)の産物であるのかも。場合によっては管理社会の矛盾そのものともなるAI。
年寄りに二言はあらぬ浮いて来い (名取 里村 直)
(評)老年の軽い自虐の句のようでいて暫し見つめてみれば国際情勢にもつながる忿恚(ふんい)のこころとも。
穀象の湧きし貴重な米を研ぐ (東京 火埜鬼王)
麦秋や真直中に吉野ヶ里 (大野城 荒谷 頴明)
白玉や母亡き後は誰と食(は)ぶ (東京 木圭)
水口(みなくち)を祭れる父の田地売る (長野 中根みち子)
摠見寺(そうけんじ)花霞みつつ琵琶湖見ゆ (生駒 高島 𠮷浩)

[神野 紗希 選]
半睡(はんすい)のひなげし見つめ半醒(はんせい)す (鳥取 馬野慎一郎)
杏熟れ蝸牛(かぎゅう)の角の触れあえる (大洲 城戸 通宗)
新緑の袖ふんはりとギタリスト (小牧 大屋 邦子)
いつか飽きていのちを脱ぐ日さくらんぼ (さいたま 武智 しのぶ)
舟よりも小さき桟橋走り梅雨 (千葉 中村 重雄)
AIの導く未然水中花 (広島 岡村 還)
「余命など医者にわかるか」緑さす (府中 佐藤 秀酔)
海遠き立浪草のさびしさよ (町田 枝澤 聖文)
天泣の大空青く花菖蒲 (東京 島だ 一郎)

勝手に論愚選
【産経俳壇2026.06.11】
[宮坂 静生 選]
焼酎や打たれ強さが身に付きし (神戸市 今井 義和)
ふんはりと霞に暈(ぼ)けし厳島 (広島市 谷口 一好)
深緑や老舗蕎麦屋の版画展 (静岡市 斎藤 勉)
びつしりと夢たくはへる葱坊主 (松阪市 奥 俊)
千年の藤や八十路は未だひよこ (さいたま市 池嶋 久春)
ぎょっとせり一本立ちの蝮草 (町田市 枝澤 聖文)
新宿をカーニバル行き修司の忌 (浜松市 宮田 久常)
富士山に人間が邪魔山笑ふ (塩尻市 神戸 千寛)
爆音の過ぎし岬の百合の花 (相模原市 はやし 央)
繰り返す自問自答や父の夏 (国東市 岸本 千鶴子)
多きなる嘘は言へずに四月馬鹿 (伊賀市 菅山 勇二)

[対馬 康子 選]
目玉焼きの中に陽のある立夏かな (出雲市 石原 清司)
昭和とはなにかと問へば鳥曇(とりぐもり) (東京・世田谷 野上 卓)
藤棚の香の結界に君を待つ (川西市 森野 幹子)
随分と永き旅ゆへ蛍籠(かご) (福岡市 玉野 忠)
父一兵黄砂を見ては涙ぐむ (東京・太田 吉田 かずや)
セルフケアアブラカダブラ夏に入る (藤沢市 西村 良子)
滴(したた)りや鳥海山は雲の中 (川崎市 山本 浪子)
鋭角を描く燕の入射角 (熊本市 貴田 雄介)
梅雨じめり高く結はへしポニーテール (橿原市 佐藤 南)
ふるさとの大河に添うて麦の秋 (奈良市 上田 秋霜)
アンニュイなひと日や嬰(えい)まろぶ (桐生市 小島 浩子)
胸元の少し恥ずかし更衣(ころもがえ) (筑西市 大久保 朝一)

【産経テーマ川柳】テーマ アルバム
下の子にいくにつれ減る冊の数 (国分寺市 玉井 仁子)
黒髪の証拠写真を孫に見せ (日立市 木村 忠一)
遺影用写真候補に付箋付け (青森・鶴田町 佐藤 均)
アルバムの人次々に鬼籍入り (大阪市 坂上 誠)
元カレを剥がして嫁いだその昔 (大阪市 浜下 栄子)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.06.06】
[横澤 放川 選]
何時か載る被爆者名簿曝涼(ばくりょう)す (東京 山口 照男)
太閤のごとく牡丹のさばれり (三豊 小野 明則)
ふる里に廃炉十基や燕の子 (郡山 寺田 秀雄)
鯉幟居久根と写る田面(たおも)かな (相馬 清水 義宏)
落花掃く浅黄(あさぎ)袴(はかま)の生あくび (富士宮 高村 富士郞)
ふるさとの風を頬張れ鯉幟 (茅ヶ崎 清水 呑舟)
柏餅ほどく湯気より子の記憶 (前橋 西村 晃)
もみしだき入るる白糠(かす)春愁ひ (札幌 村上 紀夫)
職蜂(しょくほう)や五連休とは愕(おどろ)きぬ (稲沢 上田 克彦)

[神野 紗希 選]
件名に済む要件の涼しさよ (松原 たろりずむ)
神主が麦茶届ける巫女溜(たまり) (名古屋 後藤 春子)
砂を吐くたびにわすれてゆく浅蜊(あさり) (松山 中矢 尚)
旅鞄底にどすんと夏蜜柑 (松江 GONZA)
楤(そう)の芽の羽化寸前の蛹(さなぎ)めく (札幌 増田 植歌)
草餅や喪籠(もこも)りに読む旅雑誌 (志木 谷村 康志)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.06.04】
[宮坂 静生 選]
円型の塔屋の厩舎夏近し (神戸市 末永 拓男)
(評)明治の欧化ブームは厩舎にも。斬新な夏への着眼が爽やか。神戸の相楽園にはドイツ風な民家の意匠をデザインした円型の塔屋内に厩舎がある。国の重要文化財。
車椅子からの拳やメーデー歌 (志木市 谷村 康志)
原節子のゐし鎌倉の春の雲 (東京・世田谷 野上 卓)
桜蕊(しべ)降る枯れ井戸の底ひまで (東京・足立 木幡 忠文)
笑み湛(たた)ふ円空仏やはじき豆 (白井市 毘舎利 愛子)
地球再生向日葵の種を蒔く (山梨市 石田 初江)
寒いのか暑いのか戦前なのか (横浜市 近江 満里子)
考へを変へろ変へろと鳥交(さか)る (平塚市 日下 光代)
長瀞(ながとろ)の白亜紀の使者蜆蝶 (東松山市 武田 幹子)
薫風となり国境を越えにけり (合図若松市 櫻井 潤一)
滴(したた)れる山に向かひて座禅組む (草津市 中村 恵蔵)

[対馬 康子 選]
母は梅父は櫻に見送られ (神戸市 灘 珠美)
春の服脱いで小さき母となる (北名古屋市 月城 龍二)
春窮や語れば昭和凶作史 (札幌市 村上 紀夫)
船窓の硝子曇りて五月闇 (相模原市 はやし 央)
晩春や火点し頃の浮遊感 (横浜市 前島 康樹)
耳遠く曖昧に笑む老いの春 (東京・荒川 鈴木 真理子)
アスパラガス正義のみどり巻かれたり (浜松市 高山 佳風)
新緑や心身禊(みそ)ぐ五十鈴川 (静岡市 斎藤 勉)

【産経テーマ川柳】テーマ 箸
給食は先割れスプーンの世代です (横浜市 小谷 香織)
スプーンから箸に替った退院日 (守口市 北嶋 俊)
もう一度転げた箸で笑いたい (大阪市 浜下 栄子)
宴席で上司の指示書く箸袋 (神戸市 野崎 初人)
割箸をすぐに捨てられぬ貧乏性 (青森・鶴田町 佐藤 均)
一粒がつまめず夫(つま)のリハ続く (川崎市 市原 文子)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.05.30】
[横澤 放川 選]
海峡をテレビに案ず春炬燵 (松阪 船所 信一)
(評)俳句の季語というものはさまざまにはたらくことだ。ここには忸怩(じくじ)たる思いも安堵も無力感も祈願ももろもろがひとつに篭(こ)められ。
歌よみに与ふる書戦争の春 (松山 近藤 康弘)
(評)正岡子規が短歌革新のために狼煙(のろし)をあげた最初の書。人類のこの愚。いい加減にしたらどうだ。
しやぼん玉アメリカが好きでも嫌ひ (柏 藤好 写ぽ)
死にざまの前に生きざま山桜 (千葉 中村 重雄)
朝つばめ裏戸開けば土間を抜く (広島 山根 吉久)
二十年足せば百年(ももとせ)葱坊主 (山口 吉次 薫)
「無条件降伏」の何たるか朧(おぼろ) (宇都宮 大渕 久幸)
チュノヘイワ幼な児唱える復活祭 (日野 広山 弘子)

[神野 紗希 選]
バナナに斑点ふえて宇宙もいつか終はる (大野城 野分 のわ)
石鹸玉シーラカンスの吐くあぶく (宇治 濱岡 学)
ゆきさきの決まりし母に蝶ふたつ (東京 伊藤 昌一)
この街に田植ゑ休校ありし頃 (東京 大嶋 光信)
眷族(けんぞく)と決めし燕を今も待つ (横浜 時田 隆二)
木曽谷のまた木天蓼(またたび)の頃に入る (名古屋 奥山 紀子)
解きかけの代数ノート夏蜜柑 (東京 白金 慧太郎)
産声は勝鬨(かちどき)のごと若葉風 (宝塚 藤田 晋一)
あをあをと竹百幹や夏に入る (町田 枝澤 聖文)
勝手に論愚選
【産経俳壇2026.05.28】
[宮坂 静生 選]
遠足や菓子の換へつこバスの中 (倉敷市 中路 修平)
(評)遠足のバスの中。そのチョコとこのクッキーと代えて。辛いおせんべい要らない? グミが欲しい。景色はどこも同じ。人のお菓子は好奇心をかき立てる。
目出度きは生きてゐること初桜 (山梨市 石田 初江)
届きたり藪養生(やぶようじょう)の春節ぞ (町田市 枝澤 聖文)
蝶が来て知る足元の小さき花 (東京・足立 木幡 忠文)
思い出や湯川秀樹の京の春 (那覇市 上江洌一石)
三つあるほつたらかしの夏帽子 (葛城市 山本 啓)
青き空果実のごとき八重桜 (大和郡山市 才田 純)
妻の手の時々止まる雛納め (伊賀市 菅山 勇二)
生涯の一日を飾る菫(すみれ)かな (上尾市 中野 博夫)
積んでゆく本の林立百閒忌 (香芝市 山本 合一)
失業の肩にふはりと花の屑 (志木市 谷村 康志)

[対馬 康子 選]
風光る句碑掘り起こす異星人 (宮崎市 鶴田 鎭丈)
(評)風光る季節に「異星人」という意外性が軽やか。句碑を掘り起こす行為は、過去の言葉を未来へ呼び戻す営みをも読める。俳句の時間の奥行きを感じさせる。
春の夢琥珀の中の虫が飛ぶ (横浜市 近江 満里子)
蜆売り戻れば母の介護あり (東京・渋谷 山口 照男)
こども部屋弥生のままのカレンダー (河内長野市 小池 勝子)
花冷のかろき小箱の和三盆 (奈良市 中嶋 澪)
唇に紅茶は触れて花の雨 (横浜市 杉本 ありさ)
尾道の桜蕊降る坂の猫 (松山市 竹林 一昭)
摺り足の翁にこぼる花の雨 (泉佐野市 鎌野 幸雄)
山笑ふ星降る町の天文台 (広島市 田中 弘)
補陀落(ふだらく)へ流れのままに花筏(いかだ) (奈良市 山本 啓介)
島旅のバスは五月雨追いかけて (宍粟市 宗平 圭司)
花惜しみ良き人惜しむ夕ごころ (和歌山市 溝口 圭子)

【産経テーマ川柳】テーマ 親子
年取って鏡の中に親の顔 (さいたま市 桜井 正男)
電話出てしょっちゅう母と間違われ (川西市 森野 幹子)
吾子の笑み弱った時の栄養剤 (横浜市 金山 久美子)
叱った子に今叱られる親になり (三原市 白須 靖子)
「似てますね」言われて娘嫌な顔 (大阪市 浜下 栄子)
あれが親人目でわかる参観日 (高石市 遠藤 正規)
親の顔見たいと言われ名乗れない (神戸市 松倉 正美)
勝手に論愚選
【日経俳壇2026.05.23】
[横澤 放川 選]
馬躑躅(うまつつじ)戦後を捨てた総選挙 (栃木 加藤 宣立)
(評)殺傷可能な兵器の輸出解禁とか。選挙後の不安をこの人は「国民の選択」の結果なのだと。牛馬も避ける有毒な植物もあるに。
死は数でしか示されず春の闇 (山口 吉次 薫)
天上に先づ父と子の初子凧 (濱松 宮田 久常)
仏生会(ぶっしょうえ)母は仏飯供へけり (東京 東 賢太郎)
鯉のぼり母をかっかと呼びし頃 (奈良 河上 恵子)
雁風呂(がんふろ)の褒美海女より海士へキス (大船渡 桃心地)
馬刀掘(まてほり)は抓(つま)み暫(しばし)しは待つことよ (大野城 荒谷 穎明)
三段の剣士となるや松の芯 (町田 枝澤 聖文)
大阿蘇へまづ手を拍(う)ちて野火(のび)放つ (東海 齋藤 浩美)

[神野 紗希 選]
インターホン押すに蔓薔薇(つるばら)ちと浮かせ (東京 山口 照男)
磨(と)ぎ洗う水の正直夏来る (東京 和田 宗春)
野菜とか子燕のこと話す母 (東京 萩原 つたゑ)
句会了(お)へ薄暑(はくしょ)の人となりにけり (和泉 山﨑 文恵)
(評)句会で季節の言葉や感覚に触れ心もすっかり夏に。薄暑の帰路にも、きっと句材との出会いが。
育休やメーデーの旗通り過ぐ (新潟 るい)
花みかん夜空は星を生み続け (さいたま 竹田 悠子)
山を恋う姉の寂しさ独活(うど)送る (長野 中根 にち子)
日捲(めく)りに海の挿絵の立夏かな (大附 小向 旬文)