小沢昭一氏が死去された。

日本のB級伝統芸を知る方がまたひとりいなくなってしまったなぁ。


日本の伝統芸能には、

人間国宝を生み出すまでメジャーになった歌舞伎や落語等だけじゃなくて、

大道芸のまま現代に細々と引き継がれてきた、

マイナーなB級芸能が沢山存在しており、

そうしたB級芸能の存在が、

日本の芸能文化の複層的な豊かさを支えてきたのだと俺は思うぞ。


現代の日本において「Japan Cool」などと言われている、

世界に類を見ない独特の文化を生み出した土壌には、

古来から生み出されてきた数多くのB級芸能が肥しとして存在するし、

逆に、肥しとなっているB級芸能が次々と失われれば、

独創的な文化を次々と生み出している、

日本人の特殊な感性も失われるのではと俺は危惧する。


今、本来の仕事をさぼって全国各地を廻っている大阪市長が、

義太夫に対する補助金に「ああだこうだ」と難癖つけて、

中々出そうとしなかったことがあった。


B級芸能は確かに現代人の感性に合わないものもある。

だから金を払ってまで見に行く気にならない…という理屈も分かる。

だが、それは流行の言葉で言えば「B層」の理屈だ。

義太夫から派生した芸能や、

義太夫からインスピレーションを受けて発達した歌舞伎のような芸能、

そして義太夫をヒントに創作された文学もある。

義太夫という人形劇の要素は間違いなく現代のアニメの血に入っている。

すなわち義太夫は紛うことなき大切な日本の宝なのだ。


芸に携わる人々が食えない状況を放置すると芸能は滅びるしかないが、

滅びたらお終いなのだから、

古来から引き継がれてきた日本らしさを今後も大切にしようと考えるならば、

民の力で足りない分は、公の支援で維持するべきであろう。

あの大阪市長は芸能文化が何たるかを全く理解していないし、

恐らく誰が言ったってあの愚かしい脳味噌を変えることはできんだろう。

さすがは馬鹿が見る糞の如きバラエティ番組で名をなしただけのことはある。

よくもまぁ、大阪市民はあのような愚か者を首長にしているもんだ。

関西が芸能の本場とはもう口が裂けても言えんな。

あいつが権力を握ったら、

日本は間違いなく日本ではない軽薄な国にするだろう。

石原慎太郎には選挙で散々利用した後は、

速やかに廃棄するように忠告したい。


B級芸能の存在こそが日本の芸能の豊かさなのだということを、

小沢昭一氏は分かっていたからこそ、

全国津々浦々の大道芸を中心としたB級芸能を取材し、

その存在を自分のラジオや著作で日本人に紹介してきたのだ。

日本は本当に惜しい方を失った。

なぎら健壱には、

小沢氏のように深く掘り下げることは不可能かもしれんが、

せめて浅草の屋台で飲んだくれてばっかいないで、

小沢氏の志だけでも継いでほしいと切に願う。

心からご冥福をお祈りしたい。