70年代末~80年代前半のポップスを演奏する際に、
どうしても欠かせない楽器がある。
YAMAHA CP-70B
初期型だからMIDI対応ではない。
このアングルで撮るのがお約束だ。
おっさんやおばさんには説明するまでもなかろう。
八神純子、原田真二、オフコース…。
ザ・ベストテンには必ず登場していた楽器がCPである。
ニューミュージック好きでピアノが弾ける奴だったら、
何としても欲しかったエレピだ。
もちろん俺も欲しかったが当時は高くて買えなんだわけだよ。
だが、大学時代のバンドのキーボード(松戸在住)が、
結婚するから邪魔だ…ということで俺にタダでくれたのだ。
いくらなんでもタダでは悪いと思って1万円置いてきたが、
さすがは世界的大企業・トヨタの社員であるだけのことはある太っ腹な男だ。
車はトヨタに限る。一応宣伝しておこう。
ひとたびこの鍵盤の前に座ると中々離れることが出来なくなる。
サンプリングで音を出すのではなく、
ピアノと同じように鋳物の骨格に張ってあるピアノ線を叩くことで音が出る。
で、その生音に必要なだけいい感じの内蔵コーラスを掛けた上で、
アンプで増幅させる方式だ。
実際の音は、普通のピアノの音とは似て非なるもので、
まぁ、CPの音としか言いようがない。
ローズの音やハモンドの音と同様に、
CPの音自体はサンプリングされて現代のシンセで再現できるが、
ローズ、ハモンド、そしてCPは、
本物でなければ味わえない趣が間違いなくあるわけで、
それこそが70~80年代の音の匂いってわけさ。
俺はこのCPの他にKAWAIのアップライトピアノも持っているが、
ポップスやロックを演奏する場合、CPのほうがそれっぽくて好きだな。
タッチにしてもバネでそれらしく再現されたシンセなんぞ比ぶべくもない、
実際に弦が打たれている感覚というか、
俺が弾いているんだ…という実感が感じられるのだよ。
繊細なタッチはやはり打弦式でなくちゃ…。
そういう意味でこのCPは紛うことなきピアノだ。
アンプを通さなければ、生音だけになるが、
音量が小さいから長屋のあばら家でない限り夜中でも弾ける。
夜中でも練習できるのはCPの大きなメリットだろう。
しかもこのCPは据え付けではなく持ち運びが前提で作られているから、
2分割してあちこちのステージに持っていける…のだが、
わけなくあちこち持ち運んで据え付けられるのは、
佐川急便の兄ちゃんか、プロレスラーに限られるだろう。
いや、俺は1人で据え付けたぞ。
その結果3日ほどまともに歩けなかった。
すでにYAMAHAはCPの生産を終えており、
新品は入手不可能である。
そういえば秋葉のラオックスに中古が40万円で売っていたが、
果たして今のご時世にわざわざCPを買う奴、
しかも40万円出す奴がどれだけいるんだろう。
だが、買ったら買ったできっと満足できるだろうと思う。
ちなみに頻繁に持ち運んで使う場合、
ピアノ用の調律工具と音感(もしくはチューナー)が必要だ。
特に低音と高音はすぐ狂うぞ。
これでDoobie BrothersのWhat a fool berievesでも弾き語っちゃえば、
もう完全にMichael McDonald気分であるよ。
あとローズが入手出来れば後期のDoobieは制覇できる。

