俺は数あるBASSの中でもリッケンベースが一番好きだが、
その理由はポールの愛器である以上に、
The Kinksの初代ベーシストである、
ピート・クァイフの愛器であることが大きい。
ピートが抱いているリッケンベースは、
ロンドンの楽器店に初入荷したもので、
The Whoのジョン・エントウィッスルを出し抜いて手に入れたものだ。
Kinksといい、Whoのジョンといい、
リッケンベースには“変態”ベーシストを引きつける魅力があるのだよ。
ハードで固くて、容赦ない音が出るBASSだと思う。
曲で言えばBeatlesの“Hello Goodbye”よりも、
Kinksの初期のハードなロックに相応しい音だと思うぞ。
ソロのようなベースラインばっかり弾いていた、
The Whoのジョンが欲しがった…と言えば、
多少は共感してもらえるかな?
Kinksは本国である英国では知らぬ者はおらんメジャーなロックバンドだが、
日本では全く人気がない。
その大きな理由はKinksの音楽性以前に、
日本の音楽シーンに影響力を持っていた米国から、
Kinksが完全に締め出されたことにあると俺は思う。
なぜ締め出されてしまったか?
素行があまりに悪かったからである。
言っとくがThe Rolling Stonesは悪ぶっているが、
ミックもキースも元々中産階級で育った至極まともな人間で、
ワルのイメージは麻薬でぶっ飛んでいたからだぞ。
ロンドンの下町で育った労働者階級出身の本物のワルはKinksだからな。
俺はKinksが大好きだ。
その悪さが好きだというよりも、悪さが度を越した結果、
米国に締め出されて大金を稼げなっちゃって、
すっかりしょぼくれちまった結果、
それまでのハードさやクールさを全部忘れちまって、
以後“泳げたいやき君”や“山口さんちのツトムくん”みたいな、
のどかでペーソスに溢れたノホホンとした曲ばかりやりはじめたわけさ。
つまりKinksのメンバーは本当は善良な奴だったのに、
育ちが悪かったんだろうな。
そのあまりの因果応報ぶりが人間臭くて大好きなのだよ。
デビューアルバムの狂犬的ジャックナイフぶりと、
中期のFace to Faceの物凄い落差が溜まらんのだ。
ピートはKinks前期の「ジャックナイフ時代」に在籍し、
バンドがしょぼくれる前後に脱退したベーシストだ。
2~3年前に死んじまったが、
今頃地獄でWhoのジョンと楽しんでいるだろうよ。
その他リッケンベースを愛器としたベーシストには、
Whoのジョン・エントウィッスルとか、
Yesのクリス・スクワイアーとか、
Rushのベーシストとか…やっぱり“変態”ばっかだ。
