まるの庵のブログ-メロディカ

実物はない。

頭に来て近所の子どもにくれてやっちまった。



バンドで本来アコーディオンを使いたいフレーズを、

アコーディオンは敷居が高いからといって、

安価な鍵盤ハーモニカで代用しようと考え、

ピアニカやメロディカなどを購入することがあるだろう。

で、大抵は使えなくて押入れの肥となる。



うっかり過去の失敗を失念していたのである。

そりゃあ小学生が合奏に使う2,000円のYAMAHAピアニカなんて、

バンドには使えんよなぁ…と思っていたさ。

だが、値段がピアニカの倍以上する上に、

ドイツの名門・ホ―ナー社の鍵盤ハーモニカだから、

迂闊にも大丈夫だろうと思い込んで買ってしまったわけだよ。



おじさんが馬鹿だった。

The Hootersも使っているみたいなことが、

カッコよく書かれているカタログを信じてしまった。

確かに鍵盤が黒くて、

バンドで使うに相応しいカッコいい鍵盤ハーモニカなのだが、

奴らは一体どうやってライブでこの糞メロディカを使っているのか?



全然使えない。

チューニングが半音近くズレていては、

他の弦楽器をその場でチューニングし直さねば、

どうやったって駄目であり、

レコーディングならともかく、ライブで使うとなると絶望的である。



500円の中国製・劣悪ブルースハープのほうが、

まだチューニングが正確なのに、

5,000円のドイツ製・高級鍵盤ハーモニカが、

どうしてここまで酷いのか?

アジアで作ったOEMではなく、

ちゃんと欧州・ドイツ製と書いてあるのに…。



「ふざけるな!」と怒り狂う俺を眺めていた友人が、

「確かにドイツ製だが、正確には旧東ドイツ製ではないか?」と、

訝しげに、だが「また馬鹿やったな」みたいな、

実に嬉しそうな顔で俺に聞いてきた。

輸出入関連業界に関わっている彼が言うには、

「旧東欧諸国の品質は中国製より悪く絶望的だ…」というのである。

「そうなのか?」と俺は言いつつも、

確かに労働力が高い旧西ドイツの工場で、

手仕事が必要な上に簡単な構造で、

価格が安く利ザヤの少ない楽器を作るわけがない…と、

資本主義経済の常識に気づき、

「やられた!」と大いに嘆き悲しんだぞ。



楽器が問題ではないと書いてきたが、

チューニングの狂った楽器は、

そもそも楽器ではなく玩具である。