昨今、巷で中国製のブルースハープが売られている。

日本製やドイツ製で3~4,000円するものが、

中国製ならば500円で買える。


音が小さい、響かない…

激安中国製ブルースハープに対する批判は多い。

俺も主要なKey以外のものは中国製だが、

確かに吹き比べれば俺のごとき素人でも、

リードの質の悪さは理解できるな。


まるの庵のブログ-ブルースハープ

だが…。

そもそもブルースハープって楽器は、

ブルーズのためにある楽器だ。


すなわちブルーズは黒人奴隷の音楽であるわけで、

ミシシッピの綿花畑で、

うんざりするような綿摘作業をさせられていた黒人奴隷が、

時々近くを通る汽車を眺めながら、

いつの日か自分たちを自由な土地へ運んで欲しいという切実な思いから、

汽車の「シュッ、シュッ、ポッポ~」という音を、

自分たちの粗末なハーモニカで真似て吹いたのが、

まさにブルースの誕生なのだよ。


絶対的に貧しい黒人奴隷が持てる財産であるハーモニカが、

断じて高価なはずはない。

安物のハーモニカがなければブルーズは生まれなかったし、

ブルーズから派生したロックは存在しない。

すなわちブルーズやロックは、

あくまで安物のハーモニカで吹かねばだめなのだと、

誰が何と言おうが断固俺は言いたいのである。


俺も奴隷まではいかないが貧民であるからして、

銭のない黒人奴隷の気持が少しは理解できる。

世知辛い生活に疲れて、

ハーモニカでも吹きたいと思っても、

日本製やドイツ製で揃えたら3万円近く掛ってしまい、

とてもではないが俺には手が出ない。

だが中国製ならば3,500円で揃えられる。


3,500円で♯や♭以外のKeyは全て吹けるとなれば、

俺と黒人奴隷は当然のごとく購入して、

思い切り好きなだけ吹くのである。

それこそがブルーズでありロックなのだ。


ブルースハープ奏者といえばSonny Boy Williamsonであろう。

生まれや育ちなど一切の素性が不明という、

まさにブルーズを吹くために生まれてきたような黒人のジジイである。

ジジイ、口の中にブルースハープを入れて吹いちゃうんだぞ。

演奏というより曲芸だが、

フレーズは黒人の悲しい血そのものである。


音楽はコミュニケーションである以上、

伝えたい魂こそが最も重要であって、

楽器の良し悪しなんて二の次なんだよ。