警視庁神南署 (ハルキ文庫)/今野 敏
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 2009年に「ハンチョウ」というタイトルで放送されたTVドラマの原作本に当たります

 今野敏さんの人気シリーズ、「安積警部補シリーズ」の中の一冊、『警視庁神南署』をご紹介します

 「ハンチョウ」は、1月11日より続編が放映されますね

 TVドラマをご覧になった方はご存知だと思いますが、主人公の安積警部補は神南署刑事課強行犯係の係長です

 一見優男風ながら、部下思いで信頼できる上司です

 そんな安積を慕う部下たちとの関係が魅力的です


 さて、本作品は、「自業自得」とか「自分で蒔いた種」とか「君子危うきに近寄らず」などといった格言が、次々と脳裏を過ぎる作品です

 普通の銀行員が、ホンの出来心のせいで、破滅への道を転がり落ちていく物語なのです

 彼は、公園でいちゃいちゃするカップルの情事を覗いたことをネタに、親父狩りに遭います

 最初は、自分の行いを棚に上げて、被害者然としていた銀行員ですが、飲み屋である男に話しかけられることから事態は一変します

 一方、親父狩りの件を捜査していた安積たちですが、被害者が急に告訴を取り下げたことに疑問を感じます

 その後、親父狩りに参加していた少年たちが何者かに襲われるという事件が起こります

 二つの事件に不審を抱いき、安積たちは事件の解明に乗り出します

 そこには、巧妙な手口の犯罪がありました

 安積班の刑事たちの個性が謎を解き明かすパズルのような作品です


 さて、この作品に興味を持った方に、他にもおススメしたい作品があります

 『警視庁神南署』の作者、今野敏さんの『ST 警視庁科学特捜班』です

 「ST」はシリーズ物で、現在9冊が文庫化されています

 こちらは刑事ではなく、科学捜査研究所の研究員が捜査活動をするお話です

 個性が強すぎて、まとまりのない集団のようでいて、実はチームワーク抜群の科学者たちが、事件を解決していきます

 次の読書の参考になれば幸いです