シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン (集英社文庫)/小路 幸也
¥580
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 先日ご紹介した『東京バンドワゴン』の続編になります

 前作にはまって、早速の購入&読了です

 下町の人情溢れる大家族のお話です


 東京下町で古本屋・東京バンドワゴン(明治創業)を営む堀田家は、勘一(80)、我南人(60)、藍子(35)、紺(34)、亜美(34・紺のお嫁さん)、青(26)、すずみ(23・青のお嫁さん)、花陽(12・藍子の娘)、研人(10・紺の息子)の9人家族

 それだけでも賑やかな感じですが、ご近所さんやお店の常連さんも集まり堀田家はいつも楽しそうです

 その上、本作でも堀田家には新たな家族が増えます

 毎度毎度めでたくて、堀田家の物語を読んでいると幸せな気分になります

 それもこれも、我南人の「LOVEだねぇ」という口癖に集約されているように思います


 今回も「LOVE」満載の4篇の短編から成っています

 カフェに赤ちゃんが置き去りにされたり、幽霊を見る男の子が現れたり、一度売った本を買い戻すおじいさんがいたり、騒動に巻き込まれます

 そしてそれに家族ぞれぞれの問題が絡みついて、騒動はどんどん発展

 しかし、面倒見のいい堀田家の面々は一致協力して丸く治めます

 全ての問題が一つのところに収束していく様子は、読んでいてとても気持ちいいです

 勘一の亡き妻・サチが幽霊となって語り手を務めているのも、サチののんびりした鷹揚なキャラと相俟って、ほんわかとした味を出しています

 ささくれ立った心を癒すLOVEの話

 おススメです