グリーン・ティーは裏切らない お茶と探偵(2) (ランダムハウス講談社文庫)/ローラ・チャイルズ
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 先日ご紹介した『ダージリンは死を招く』の「お茶と探偵」シリーズ第2弾『グリーン・ティーは裏切らない』です

 前作と比べて、かなりストーリー構成が良くなっていて、ミステリらしくなっています

 キャラも立ってきて、読みやすく、面白い作品に仕上がっています

 この作品は一応三人称で、主に主人公のセオドシア目線で語られるのですが、前作では時折唐突に別の人間に語り手が交代してまたセオドシアに戻る、というような箇所が多くあって読みにくかったのですが、本作ではそういう部分がだいぶ整理されています

 筆者の筆力が格段に上がったことが伺えます


 さて、本シリーズの魅力的な登場人物について整理しましょう

 主人公は、インディゴ・ティーショップという紅茶専門店を営むセオドシア・ブラウニング

 彼女は広告会社から脱サラしてチャールストンの歴史地区に紅茶のお店を始めました

 他の登場人物によると美人

 気丈で、頭の回転が速く、好奇心旺盛な人物です

 それから、ドレイトン

 彼はインディゴ・ティーショップのティー・ブレンダー、つまり紅茶の茶葉の配合を決めてオリジナルのブレンド茶を作成する担当者です

 博学で、温厚な壮年の紳士です

 もう一人のインディゴ・ティーショップの店員、ヘイリーは若く優秀なパティシエです

 彼女が読者のハートを鷲掴みにするお菓子を考案、作成します

 冗談好きで、時に皮肉屋ですが気立てのいい女の子です


 そんな彼らが今回巻き込まれるのは銃の暴発事件

 ヨットレースのゴール地点で催される「浜辺のお茶会」の仕事を請け負ったセオドシアたちは、ゴールの号砲の銃が暴発した現場を目撃します

 その暴発で、号砲係の資産家男性が死亡

 警察側の事故という判断に対して、セオドシアは当日の現場付近の状況から暴発が故意に引き起こされた可能性を疑います

 セオドシアは好奇心から独自に調査を開始します

 動機がありそうな怪しげな人物がわんさか出てくる中で、彼女が犯人をどう絞り込むのか?

 思い切りのいい作戦にハラハラさせられます