ダージリンは死を招く お茶と探偵 (1) (ランダムハウス講談社文庫)/ローラ・チャイルズ
¥819
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 コージーミステリというジャンルのライトなミステリ小説です

 コージーミステリの特徴は、


素人探偵が活躍すること

町や村など狭いコミュニティの中で犯罪が発生すること

紅茶や珈琲、お菓子などの描写が多いこと


 などが挙げられます

 この作品も表題からもわかるように紅茶が頻繁に登場します

 それもそのはず

 本作の主人公は、紅茶専門店インディゴ・ティーショップを営むアラフォーの女性オーナー・セオドシアです

 彼女の仕事の関係上、紅茶を入れるシーンが数多く描かれます

 そして紅茶には、お菓子が付き物

 クッキーやスコーンがふんだんに現れます

 思わずお腹がすいちゃうような小説です


 さて、本作『ダージリンは死を招く』はお茶と探偵シリーズの第1作

 今回セオドシアが巻き込まれるのは、殺人事件

 インディゴ・ティーショップが主催のティーパーティで、紅茶を飲んだ男性が変死してしまうのです

 紅茶には毒が混入しており、セオドシア以下従業員が容疑者として疑われます

 そのことから、常連客の足がお店から遠のき、経営の危機が訪れます

 セオドシアは、汚名を雪ぐため真犯人探しを始めます


 セオドシアは考えるより先に行動するタイプのようで、推理は後回し

 少なくとも、何故そのように動いたかについての説明はありません

 そういう意味ではミステリとしては物足りない部分も多いかも…

 行き当たりばったりな展開です

 とはいえこの小説が魅力的なことには変わりありません

 推理の論理性や犯人に辿り着く過程の唐突さは兎も角、紅茶やお菓子の美味しそうなこと!

 その描写に味覚を刺激されます

 また、紅茶に関する薀蓄もそそられます

 ジャンルは違いますが、モンゴメリの『赤毛のアン』とか、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』などがお好きな人には好まれるんじゃないかなと思います

 それからこのブログでも何度も紹介しているクレオ・コイルの『コクとうまみの名探偵』シリーズが好きな方にもおススメできそうです

 『コクとうまみの名探偵』が珈琲と猫の組み合わせだったのに対し、『お茶と探偵』シリーズは紅茶と犬(笑)

 非常に好対照です

 是非、紅茶とお菓子を用意してお楽しみください