ST警視庁科学特捜班 黄の調査ファイル (講談社文庫)/今野 敏
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 蒸し暑い日が続きますね~

 基本的に暑いの大好きなんですが、この湿度の高さには閉口でやる気がすっかりそがれております

 夜、寝苦しいのが一番きついですよね

 最近では、アイスノンが手放せません

 できるだけエアコンは入れたくないので、扇風機が回っております


 さて、今回ご紹介するのは『ST 警視庁科学特捜班 黄の捜査ファイル』です

 本作でフューチャリングされるのは薬学担当の山吹才蔵です

 山吹色=濃い黄色ということで『黄の捜査ファイル』です

 彼はSTに所属している科学者であると同時に、お坊さんでもあります

 実家がお寺なので法事の手伝いをしているときに招集がかかると、墨染めの衣で現場に現れます

 その上現場にご遺体がある場合はお経まであげちゃう

 相応しいのかそうでないのかよくわからないところではありますが、刑事さんたちは信心深い人が多いらしく文句は言われません

 山吹の登場シーンはもはやパターン化しています

 お坊さんである山吹はやはり人格が錬れているのか、変人揃いのSTの中では潤滑油的な役割を果たしています


 そんな山吹が活躍する事件は、新興宗教がらみの事件です

 仏教系新興宗教団体「苦楽苑」に所属する20歳前後の男女4人が、同団体の所有するマンションの部屋で一酸化炭素中毒による変死体となって発見されます

 遺体からはアルコールと睡眠薬が検出され、窓やドアに目張りがされている中で練炭を燃やしていた状況から、世を果敢なんだ末の集団自殺かと思われました

 しかしSTは現場に残った痕跡から、他殺を疑います

 STは所轄署と協力して捜査を開始

 浮かび上がってきた容疑者は4人

 教団の主宰者

 教団幹部

 教団を去った元幹部

 死んだ男女といつも行動を共にしていた信者

 果たして誰が犯人なのでしょうか?

 そして動機は?


 今回は科学捜査というよりは、山吹のお坊さんとしての特性を最大に活かしたストーリーになっています

 いつも穏やかな山吹の過去も明らかになります

 是非お楽しみください