未明の家 (講談社文庫―建築探偵桜井京介の事件簿)/篠田 真由美
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 建築探偵桜井京介の事件簿、第1弾です

 数年前に読んでいたのですが、当時は何故だか面白みが感じられず、本棚の奥にひっそりと仕舞われていたのを、模様替えの際に発掘いたしました

 ストーリーを全然覚えていなかったので、再読したら、面白いんです、これが

 本作は近代日本建築史が専門の文学部大学院生の桜井京介が主人公

 痩せ型長身、猫背で姿勢が悪い上に、前髪を顔が隠れるまで伸ばしていてまるでムク犬のような爺むさい青年です

 本当は、輝かんばかりの美貌の持ち主なのですが、好奇の目を避けるために顔を隠しています

 彼のアシスタントの猫小僧・蒼、友人でむくつけき偉丈夫・栗山深春が脇を固めています


 『未明の家』では、遊馬理緒という学生から、故祖父の残した別荘・「黎明荘」の調査依頼を受けます

 「黎明荘」は昭和初期に建てられたスパニッシュ・スタイルの平屋家屋で、祖父の事故死、父親の自殺未遂、何者かによる家屋侵入など、事件が相次いでいます

 理緒は、即刻取り壊しを主張する母親に対立していて、なんとか「黎明荘」を保存できないか奮闘しています

 調査の依頼を受けた京介は、「黎明荘」とそれに関わる事件とを解明していくことになります


 私は建築のことはあまり詳しくはないのですが、建築学を修めた方から見るとどういうふうに感じるのか、興味があります

 私は心理学的側面から、建物が人間の精神に与える影響について云々した行がなるほど~と思わせられました

 これを機にシリーズ全刊制覇しようかな