- 熱帯安楽椅子 (集英社文庫)/山田 詠美
- ¥340
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先日、私の尊敬する師匠が、カンボジアに旅行をなさったという話を聞きました
なんだかバカンス!という感じでいいですよね、熱帯地方
私は夏が好きなので、常夏の国に強い憧れを抱いているのですが、なかなか行けないでいます
というよりは、行くのが怖い
何故かというと、自分がダメ人間になりそうだから
ただでさえダメダメなのに、これ以上怠惰になったら人間失格っす
だから、お土産話が大好きです
人の目を通した外国の話を聞くのが好き
大好きな人のセンスに濾過された、エッセンスの話が好き
その人の目に映った光景を思い浮かべるのが好き
というわけで、南の国の話を聞いていて、思い出したのが今回ご紹介する山田詠美さんの『熱帯安楽椅子』です
学生の頃、この本がきっかけで山田詠美さんの世界にはまり、山田作品はけっこう読みました
お話は、恋に破れた女流小説家が、友人の勧めに従ってバリへ旅行する、というものです
奔放な彼女は、バリで出会う男性とたくさんの恋をし、バリの土着の文化に触れ、自然に触れ、エネルギーを充電していきます
山田詠美さんの作品を読んでいると、体だけじゃダメ、心だけじゃダメ、ということがひしひしと伝わってきます
体も心も満たされたとき、霧が晴れたように視界が開け、山も海も空も、花や木や鳥たちや、生きている全てのものが鮮やかに感じられる
そういうことが分かる気がする小説です