花宴
師匠のお話によりますと、東京では今が盛りと桜が咲き誇っているようですね![]()
この週末は、お花見に出かけられた方も多いかと思います
美しい桜の木の下での宴![]()
お酒が呑めればいつでも楽しいですが、桜の花が咲いているからこそ、華やかで心が浮き立つものです![]()
呑めれば何処でもいい、というものではないですよね
花が咲いていなければお花見ではないし、野宴を催す意味がない
きっと出席者も少ないことでしょう![]()
花見客が皆風流を解して花を愛でているわけではないと思います![]()
でも、季節の移ろいを楽しもうという気持ちを持っているっていいことですよね![]()
桜への想い
『伊勢物語』の第八十二段渚の院に、桜への想いを託した2首の和歌が収録されています![]()
これは、惟喬親王が渚の院にて催した花見の宴で、桜を題材に詠まれたものです![]()
馬頭(在原業平)
世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
〈訳〉この世の中に桜が全くなかったら、春をのどかに過ごせるでしょう
花が散るのを惜しむことがないのだから
紀有常
散ればこそいとど桜はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき
〈訳〉散るからこそ桜は称えられるのです
この世に滅びないものなどあるでしょうか
この2首は、惟喬親王の御前で競うように詠まれたもので、桜の散り逝くを観て異なる見解が主張されています![]()
どちらも納得…という感じですね![]()
皆さんは、どちらにより共感しますか?