lonelystorys1
「何処までいくん!もぉ、マジ、疲れたぁって
」
リンこと仲島 稟香(




)が呻いた。
「リン先輩、まだまだですね
陸上部ともあろう先輩がこれだけでバテるだなんて・・・
」
茉里慧ちゃんこと古村 茉里慧(



)が言った。何だとぉ?と今にも茉里慧ちゃんに食って掛かってきそうなリンを慌てて宥めるのが私。
「まあまあ。そうだよ、リン、ちょっと部活、サボリ過ぎだってば。いくら、速いからって。それじゃ、奏螺(

)チャンに抜かされちゃうって。でも、茉里慧ちゃん。まあ、リンは短距離専門だから・・・。」
リンが唇を尖らせた。
「何よ、あたしがあの1年に抜かされると思ってたん?ふざけんといてくれへん!?」
ちょっと切れ気味のリンに茉里慧ちゃんがここぞとばかりに嫌味を入れてくる。
「奏螺、大分早くなってきたんですよ
う~ん、先輩と1秒位しか変わらないんです
もうすぐ奏螺の時代がやってきますね
」
冗談かと思ったら、茉里慧ちゃんの顔はマジだった。それは言っちゃいけないだろう・・・と私が思った瞬間にリンの堪忍袋がブチッと切れた音がした。
「ハァァ?御前、補欠の癖にさっきから黙って聞いてれば糞生意気な事ばっかり抜かしやがって
御前なんか退部すればええのに、あぁん
」
流石の茉里慧ちゃんもちょっと怖気づいたようでブルッと震えた。
「先輩こそ生意気なんじゃないですか!必死で練習してるのになかなか上手くならない子が居るのにそうやって抜け抜けとまるでソレが普通かのように部活、休んで!私達がどんな気持ちでそれを見ているのか分かってますか!!}
茉里慧ちゃんはそういうとワッと泣き出してしまった。一理ある・・・
「・・・リン・・・言い過ぎじゃないの?ていうか・・・リンに非は有るんだからさ・・・」
リンは、茉里慧ちゃんを眺めていたが、ペッと唾を地面に吐き出した。
「・・・っ、何だよぶりっ子して・・・
何がだよ・・・あたしが必死で練習してないとでも思ってんの
」
リンは、どんどん優しい顔になっていった。私は、やっとホッとする。茉里慧ちゃんが潤んだ目でリンを見上げた。すらっと背の高いリンは、陸上部の女子の中で一番背が高い。スタイルもいいし、生まれてずっと美人。誰もが憧れる人。おまけに運動神経抜群で要領も良いと来てる。そんなリンに対抗心を燃やしていて、みんなからリン2となると期待されているのが茉里慧ちゃん。この2人のぶつかり合いはよく見られる。
「・・・部活に来てないじゃないですか
」
茉里慧ちゃんが小さく呟いた。
「来るだけ馬鹿馬鹿しいやんか
いっつも家の近くの公園で練習してた方がマシやってば
アンタもそうしたら速くなるで
~んまあ、優等生のアンタにそんな事できひんか
」
リンの声に茉里慧ちゃんが言った。
「・・・やってみます・・・
」
小さな声だったが、私には茉里慧ちゃんがそれを決意した事が分かった。リンにも分かったようで半笑いになりながら、ツーンとした顔を保とうとしている。
「頑張りや
」
リンの言葉に茉里慧ちゃんの目に輝きが戻った。
「ハイッ
」