東京は本当に坂が多い町です。

”茗荷谷”にも”茗荷坂”がありました。

 

坂を下ると折しもにわか雨!

茗荷が生えていたら喜ぶところでしょうが(笑)

 

 

”茗荷谷”が小日向村の通称地名であれば

いつごろから使われていたなんて

まったく分からないわけです。

 

その由来については

文京区を含め、多くの資料は野菜の茗荷説。

「古くから茗荷の産地で、多くの畑で栽培されていた・・」

「昔、この所へ多く茗荷を作りしゆへの名なり、

今もそのなごりの”めうが畑”すこし残れり・・」(御府内備考)

 

この「茗荷説」をウソだと言うつもりはなく、

まぁ、そんな場所もあったかもしれません。

新宿区富久町にある茗荷坂も同じ由来です。

 

”みょうが”が付く地名を全国的にみると

名ケ沢 (秋田)、茗荷沢(千葉)、明ケ島(岐阜)、

名ケ原(富山)、明河(愛媛)、名ケ園(熊本)・・・

特別珍しくもなく、文字もいろいろです。

 

文字が違うから”茗荷”由来ではないと言えませんし

”茗荷”と表記するからといって

野菜の”茗荷”に由来する地名ともかぎりません。

 

植物の名は地名になりやすいのですが、

個人的にはもうひとつ、何かある気がしてなりません(笑)

 

あーだこーだ考え、資料をひっくり返して

ついに別な説を見つけました。

 

地理学者で地名の研究をしていた松尾俊郎によると

谷の中の水溜りを「みょう」「みょうが」というそうです。

 

これは、川の中にできる細長い窪を意味する

「澪(みお)」という言葉の転訛で、

「水溜り」「水脈」にも使うようになった旨の説を唱えています。

 

うーむ・・

どうだろー・・

 

(つづく)

 

(文京区小日向4丁目)