今回はなんだか絵本みたいなタイトル(笑)

早くも春一番が吹き、気温も乱高下を繰り返す今日この頃です。

 

 

”等々力”は16世紀中ごろの古文書に

「ととろ木」「兎々呂城」として初めて現れるそうです。

 

等々力3丁目の目黒通り沿いにある満願寺が

「兎々呂城の満願寺」と記されているといい、

当時から「ととろき」「とどろき」と呼ばれる地域だったことがわかります。

 

ではこの「ととろき」「とどろき」とは何でしょう?

 

実はこの地名、全国的には意外と多く

轟、土々呂、廿六木、動木、迹驚・・

”等々力”以外の文字もいろいろ。

 

その多くが川の流れる音、滝の落ちる音から

「音が轟く」意味で生まれたようです。

 

だとすると、世田谷の場合はもちろん

等々力渓谷にある”不動滝”。

 

同じ世田谷の桜丘あたりを水源とする

谷沢川(やざわがわ)が南流してつくったのが等々力渓谷ですが、

いたる場所から湧水があり、その一つが不動滝だといわれています。

 

とはいうものの、

少なくとも今は音がするほどの滝ではありません。

昔はそんなにすごかったのでしょうか⁉

 

でもこの説をとる以外ないですねー

 

ちなみに、似たような地名に

トド、ドド、ドウメキ、ドドメキなどがあり、

これらも水の音から生まれた地名です。

 

高知県には「百笑」と書いて「どめき」という地名があります。

「百」は十×十なので「とおとお」となり

さらに「どおどお」「どど」となって

水音を「大勢でどっと笑う」音に模して当て字した地名だといいます。

 

また、世田谷から多摩川を挟んだ対岸の川崎にも”等々力”があります。

これは江戸時代に世田谷の等々力村の飛び地だった場所で、

明治四十五年の府県境界の変更に際して川崎側に編入された地域です。

 

(世田谷区等々力)