私が住む多摩丘陵にも

面白い地名がいろいろあります。

 

その中の一つが八王子の”鑓水”。

初めて見るとちょっと読めない地名ですが、

「やりみず」です。

 

町田との境界近く、丘陵の中のひっそりとした地域で

今は新しい住宅が増えましたが、

幕末から明治にかけては”絹の道”の途上でした。

 

絹の道とは、養蚕が盛んだった八王子産の生糸を

世界に輸出するため、

横浜へ向けて運ぶための道でした。

 

ところで、鑓水の”鑓”は、武器の槍と同じ意味です。

ちょっと物騒ですが、

地名の文字はたいてい当て字。

 

全国には遣上(やりあげ・京都)、鑓川(石川)、槍沢(長野)、

鎗田(佐賀)、槍巻免(やりまきめん・長崎)、

槍昔(やりむかし・根室)などなど・・

 

けっこうありますねぇ。

 

たとえば、北アルプスの槍ヶ岳は

その山容による名称ですが、

地名の意味は一様ではないようです。

 

しかも、”やりみず”という地名は

私が調べたかぎりでは

この八王子だけ。

 

”いりみず”とか”やらみず”とか”よりみず”とか

言葉の変化かも・・

なんてすぐ逃げてしまう悪いクセ!

 

まっ、風景だけ描ければいいか(笑)

 

(つづく)

 

(八王子市鑓水)